大会名: Asia
MTB series final KotaKinabalu
開催日: 2019年12月15日
開催場所: マレーシア・Kotakinabalu
カテゴリー: UCI
Class2
リザルト: 4位
天 候: 雨
コースコンディション: マッド
ついに迎えた2019年のラストレース。愛媛でのシクロクロス全日本選手権を終えてすぐに向かったのは、マレーシアのコタキナバル。UCI Class2レースであると同時にアジアMTBシリーズの最終戦でもあるこの大会には男女共に日本からも多くの選手が参戦した。結果は4位でUCIポイントは獲得できたが、得意な泥のコンディションを味方に付けられずに機材トラブルを引き起こしてしまい表彰台を逃したことが悔やまれるレースとなった。
雨季であるコタキナバルは毎日必ずと言っていいほどに雨が降り、日が出れば気温は30℃を超える。日本の真夏ほどの暑さではないが、真冬の日本から来た身には十分に堪える。暑さ対策として遠征の前にはローラー台でのトレーニングやサウナにも通うようにして積極的に汗を流すようにした。MTBレース自体は約2ヶ月ぶりだが、シクロクロスをやっている自分にとってはレースコンディションへの不安はない。全日本シクロクロスをきっかけにしっかりと体調を上げてこられた自信もあるので、非常に楽しみな気持ちで臨んだ。
コースは全体的にタイトコーナーが多くてスピードが乗らず、一部はまるで田んぼのような泥区間になっていることもあって流れが非常に悪い。レース当日になって雨が本降りとなり、過酷なマッドコンディションのレースになることが予想できた。コースが非常に短いため、10周回というMTBでは異例の周回数となった。シクロクロスで泥のこなし方に慣れている自分にとっては、むしろプラスと捉えることができるコンディション。コース上に抜きどころは少なく、泥区間では渋滞が起きることも予想できる。差が開きやすい1周目が非常に重要となることは間違いない。
雨が降り続く中、レースが始まる。今回はシクロクロスで試してきたスタート姿勢とギヤ比をMTBでも取り入れ、ペダルキャッチもミスなく決まり順調に加速。最低でも2番手で入りたかったが、登りでのスプリント力が足りずに先頭の山本選手との間にカザフスタンの2選手を挟んでしまった。泥区間に入れば抜きどころはなく、前の選手の僅かなミスがきっかけで山本選手の先行を許してしまう。雨が降り続いているため意外と泥は重くなく、急斜面の登りも乗車でクリアできる。路面の状況を見極めながらレースを進めていく。目の前でカザフスタンのキリル選手が転倒したのに巻き込まれかけるが、なんとか抜いて3番手に上がる。しかしその間にカザフスタンのアディロブ選手の先行を許してしまった。
オーストラリアの選手と3位パックとなる。体力的には余裕がないが、後ろで展開していてはアディロブ選手とさらに前で独走態勢になっている山本選手との差は開く一方。泥区間で積極的に先頭に立つようにして前の二人を追いかける。
レース中盤。雨が止み始めてコースは重馬場の泥へと変化していく。先ほどまでは乗車でクリアできていた登りも降車を強いられる。シクロクロスの経験が生きるので自分にとってはむしろ得意のコンディション。アディロブ選手との差が徐々に詰まり出し、オーストラリアの選手と共に2位に上がる。泥区間は自分の方が得意だと感じていたので一気に前に出ようとしたが、このタイミングで変速にトラブルが起きてしまう。強くトルクがかかる場所ではバイクを押すしかなく、4番手に落ちてしまった。ピットでホイールを交換してリスタート。直後の下りで転倒しそうになりタイムをまたも失ってしまうが、このミスがきっかけで集中力が切れかかっていることを自覚し、逆に落ち着くことができた。
レース終盤。泥の影響でブレーキパッドは完全に無くなり、バイクコントロールが非常に難しい。ランニング区間が増えたことで脚に疲労が溜まり、泥の影響の少ないセクションでもペースが上がらなくなってしまっている。それでも少しずつアディロブ選手との差が詰まっているので諦めずに前を追いかける。最後は目視できる距離まで追い上げたが届かず、4位でのフィニッシュとなった。
泥がバイクの駆動系に悪影響を与えることは明らかであったのでボトルの水をディレーラーにかけながら走るつもりでいたが、レース中はすっかりその考えが抜け落ちてしまっていた。防げたトラブルであったので非常に勿体ないことをしてしまった。
しかしそれ以上に大きなミスは、1周目に先頭に立てずに山本選手の先行を許してしまったこと。やはり泥レースは先頭で自分のラインを走れることが圧倒的に有利となるので、絶対に前に出なければならない場面であった。スタート練習を継続していくと同時に、MTB特有の激登りでのスプリント練習も取り入れて競り負けないパワーを手にしていきたい。最近はシクロクロスの他にもオフロードでの周回練習も取り入れているが、その効果で体力的にキツい場面でもテクニカルセクションをミスなく落ち着いてこなせたのは良かったと思う。ただレース時間が1時間を過ぎたあたりからペースが落ちてしまっているので、レース強度での乗り込みをシクロクロスだけに頼らずに来シーズンへ向けた練習を重ねていきたい。
そして冒頭にも述べた通り、今回のレースが2019年のラストレースとなりました。
今年はこれまでの選手キャリアの中で最もレース数の多い一年となり、シクロクロスなども合わせると合計30戦にもなりました。その中にはステージレースも含まれているため、レース数だけで言えば51レースとなります。出場したレースのほとんどが海外でのUCIレースであり、チームの目的であるUCIポイントの獲得に向けて非常に有意義な活動ができた一年でした。チームとスポンサーのご支援、国内で走る機会が少なくなっても変わらず応援して頂くファンの皆様、そして一番身近で僕を支えてくれた小林監督と家族に感謝致します。
学び多き一年でしたが、アスリートとしてその経験を勝利に繋げなければなりません。日本一、そしてアジア一の選手となってオリンピックに行くという目標は決して変わることなく、2020年も活動して参ります。
たくさんの応援、ご支援をありがとうございました。
来シーズンも宜しくお願い致します!
TEAM BRIDGESTONE Cycling
沢田 時
使用機材
サスペンション SR
SUNTOUR AXON
シューズ
SHIMANO S-PHYRE XC9
ヘルメット Kabuto フレアー スペシャル・チームカラー
グローブ Kabuto PRG-5(ブラックレッド)
サングラス OAKLEY
Jawbreaker(PRIZM TRAIL)
レース中:ピットインエネルギージェル
栄養ドリンク風味(カフェイン入り)
VAAM
レース後:リカバリーメーカーゼリー
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