大会名: LESVOS-MOLYVOS
URBAN MTB UCI S1 STAGE RACE
開催日: 2019年6月4日~7日
開催場所: ギリシャ・レスボス島
カテゴリー: S1
リザルト: 9位
天 候: 晴れ
コースコンディション: ドライ
ギリシャのレスボス島で開催された4日間のステージレースに参戦。結果、S1クラスでは初めてのシングルリザルトとなる9位となりUCIポイントを50P獲得。以下がレースレポートです。
【Stage1
XCT 16km】
リザルト: 15位
2019年も折り返しとなる6月に入り、いよいよ東京オリンピックに向けて非常に重要となる一年間が始まった。ここからのUCIレースは今まで以上に内容よりも結果が全てと言っていい。ひとつひとつのレースでいかに多くのポイントを獲得できるかが目標となる。前半戦の山場として迎えた八幡浜大会では正直に言って自信を失うような結果になってしまった。しかしここでモチベーションまで失ってしまえばここまでの全ての努力、そして自分という選手に懸けてくれている方々の想いも無駄にすることになる。しっかりと反省して改善するべきところを見つけたら、あとは次のレースに向けて今やるべきことに全力で取り組むのみ。
そして迎えた今年5回目、ギリシャでは4回目となる4日間のステージレースはUCIカテゴリー最高となるS1クラス。当然レースのレベルは高いが、トップ10という高い目標を持ってレースに臨んだ。
初日はいつも通りのXCT。16kmのコースを1分間隔でスタートしていく個人タイムトライアル。
コース前半には斜度は緩いものの荒れた砂利道が続き、アスファルトの僅かな下りを挟んだ後には急勾配の登りが待ち構える。ペース配分が非常に重要となるコースなので前半は少し抑え気味でスタートした。身体の感覚としても後半にかけて良くなり、最後の激登りも失速せずに登り切れた。タイムトライアルの経験も今年に入って一気に増え、得意とは言えないが無難にこなせるようにはなってきている。
結果は15位であったが、目標とするトップ10までは1分半ほどの差。これまでのステージレース同様にマラソンステージで一気に総合順位を上げるのが自分の狙いであるので、今日は身体にも機材にもトラブル無くゴールすることができて満足している。
明日のXCPも総合成績には非常に大事となってくるので、しっかりとリカバリーして万全の体調で迎えたい。
【Stage2
XCP 33km】
第2ステージは距離33kmのXCP。一時間半ほどのレース時間が予想でき、集団に乗り遅れてしまうと一気にタイム差が広がってしまうので全く油断の出来ないステージ。
周回レースであればコース試走は容易であるが、今日のようなラインレースだと事前にコースを全て走っておくことは難しい。しかしこれまでの経験からしてコースを知っていた方がレース中に圧倒的に有利なため、午前中に2時間ほどかけて33kmのコースを全て試走した。もちろん普段はレース当日にこれほど走ることはないが、登りの距離やシングルトラックのライン取りをしっかりと確認できることを考えれば自分にとってはメリットの方が大きい。不安なくレースに臨むことができた。
海岸沿いのパレード走行から急勾配な登りになったところでリアルスタート。一気に先頭集団のスピードが上がっていく。15km地点まで登るのでまだまだ先は長いものの、ここで少しでも前のパックに入れた方が良いに決まっている。しかし17番手パックとなるルーマニアの選手に付いていくので精一杯の状態。このままでは総合成績を上げるどころか落とすことになってしまう。20秒ほど先に見えている3人のパックを目標にして単独で追いかける。10秒ほどの差がなかなか詰まらずに苦しい時間が続くが、ここで諦めたら終わりだと踏ん張る。試走をしていたお陰で泥区間をスムースに切り抜けることができ、一気に差を詰めて14位パックの先頭に出ることができた。さらにメカトラブルで止まっているトルコの選手を追い抜いて13位に上がる。高速なアップダウン区間では集団の後方で脚を貯め、登りを使って単独で抜け出る。さらにフランスの選手を抜いて12位となる。
ゴールまで残り10kmとなるフィード地点で1分先に選手がいることを教えてもらい、最後の力を振り絞る。ここからは下り基調でテクニカルなシングルトラックが続くが、試走をしていたお陰で正確なライン取りで無茶をすることなく走ることができた。前の選手と30秒ほどまで詰めたが、順位は変わらず12位でフィニッシュ。
総合成績でも12位となった。
試走をしていたことはプラスに働いて後半の追い上げに繋がったが、序盤の登りでの遅れが響いてトップ10を逃してしまっている。最も重要となる明日のマラソンで総合成績を上げるためには、早い段階からいかに良いパックに付けるかが大事。理想のレース展開をもう一度しっかりとイメージし、強い覚悟を持って明日の逆転を狙いたい。
【Stage3
XCM 60km】
総合成績を狙う上で最も重要な日となるマラソンステージの日を迎えた。初日のT.Tと同じコースを含んだ周回コースを2周するレイアウトで、距離は60kmと昨日の倍近い。当然大きなタイム差が付くことが予想できるので、トップ10に入る最後のチャンスと捉えて臨んだ。
パレード走行が終わって狭い農道に入り、さらに狭く非常に荒れた石畳の路面へと入って集団は縦に伸びていく。ここはうまく切り抜け、トップ10以内で展開することができた。緩斜面の登りでは先頭集団に引っ張ってもらいながら脚を貯めることができたが、登りの斜度が上がったところで少しずつ遅れ出してしまう。この先にさらに急勾配な登りが待ち構えることと残りのレース距離を考えると、ここで限界まで追い込むのは得策ではない。単独にはなってしまうものの自分のペースで一旦落ち着かせる。この時点で順位は15位。
登りの斜度が上がったところで追撃を開始。良いテンポで走ることができ、下りに入るまでに5人の選手を追い抜くことができた。フィード地点で前の選手との差が詰まっていることを教えてもらい2周目に入る。
気温がかなり高い上にずっと直射日光を浴びているので身体がとても暑い。フィードで貰ったボトルもあっという間に空になってしまった。空腹感もあって脚も動かなくなってきているが、長い登りに入ると遠くに9位の選手が見えてきた。1分ほどの差があるが、絶対に追いつくと根性で踏み込む。前半に比べれば自分のペースもかなり落ちているが、周りの選手よりは踏めているようでどんどんと差が詰まってきた。ここまで抜いてきた後ろの選手とも大きな差がある。
9位に浮上して残り10km。さらにゼッケン1番のフランスの選手が見えてきた。どうやらメカトラブルでペースを落としていたようで8位に上がることができた。身体は脱水気味で本当に辛かったが、このままゴールまでいけばシングルリザルトのチャンス。ようやく長い登りを終えてパンクのリスクの高いダウンヒルを丁寧にこなす。フィード地点で水を貰って少し体力も回復し、あとは平坦基調の路面がゴールまで続く。後ろも前も選手が離れているので今日はこれ以上に順位を上げることはできないが、昨日まで負けていた選手とのタイム差を逆転するためにゴールまで全力を出し切った。8位でのフィニッシュとなった。
一番重要なステージで最も良いレースができて満足している。総合でも9位となることができた。明日のXCCは短いレースでタイム差は付きにくいが、今日メカトラブルで順位を落とした選手がいたように全く油断はできない。しっかりと先頭集団に食らい付き、無茶のない範囲で攻めて今の順位を守り抜きたい。
【Stage4
XCC 20min+2Laps】
ステージ最終日は1周5分ほどの短い周回コースを20分間+2周回させるXCC。昨日の長丁場のマラソンレースから一転して超ハイスピードの短期決戦となる。このステージレースに参戦しているほぼ全ての選手が普段はXCOを主戦場としているので、スタートからの爆発力が必要なショートレースを得意としている選手は多い。明後日のXCOレースで先頭集団に入るためには競技特性の近いこのレースで良いイメージを掴んでおきたい。そして一番大事なことは大きな落車やメカトラブルを起こさずに今のシングルリザルトを守ってゴールすることである。
2列目からのスタート。いきなり砂利の下りからレースが始まるので非常に危ないレイアウトであるが、大きな混乱には巻き込まれずに10番手で最初のシングルトラックへ入る。まるでシクロクロスのようにコースが入り組んだ森の中でイン側を突いていき8番手まで上がった。ステージリーダーのギリシャの選手、ゼッケンナンバー1のフランスの選手の後ろに付いて2周目へ。ここまでは非常に良い形でレースを展開できていたが、先頭集団のコーナーの立ち上がりのダッシュスピードに徐々に対応できなくなり、11番手まで順位を落とす。
3周目には追い上げてきたルーマニアの選手に抜かれるが、これにも対応することができずにセカンドパックにも乗ることができなかった。4周目、5周目と単独での走行となってしまったことでペースを落としてしまう。
ラストラップ。ギリシャの選手に追いつかれるが、これには負けるわけにはいかないと最後の力を振り絞る。登りでアタックをかけるものの引き離すことはできず、最終コーナーの手前で抜かれてしまった。最後のチャンスにかけてスプリントをしようとしたところでペダルを外してしまい失速。13位でのフィニッシュとなった。
スタートからの動きは良くて明後日のXCOに向けて良いイメージを作れたことは大きな収穫。総合順位でも9位となり、目標であったトップ10を達成することができて嬉しく思います。
チームとスポンサーからの多大なサポート、そして日本からの応援に感謝致します。
4日間のステージレースは終わりましたが、1日の休息日を挟んで日曜日にはXCOが開催されます。クラス1のレースとなるので、ここでもしっかりとポイントを獲得することはもちろん、今回の結果を超えられるように気を抜かずに挑みたいと思います。
引き続き応援のほど宜しくお願い致します。
TEAM BRIDGESTONE Cycling
沢田 時
使用機材
サスペンション SR
SUNTOUR AXON
シューズ
SHIMANO S-PHYRE XC9
ヘルメット Kabuto フレアー スペシャル・チームカラー
グローブ Kabuto PRG-5(ブラックレッド)
サングラス OAKLEY
Jawbreaker(PRIZM ROAD)
レース中:ピットインエネルギージェル
栄養ドリンク風味(カフェイン入り)
VAAM
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