大会名: 2014年 UCIシクロクロス世界選手権
開催日: 2014年2月2日
開催場所: オランダ・Hogelheide
カテゴリー: U23
リザルト: 46位(−1ラップ)
天 候: 晴れ
コースコンディション: マッド
いよいよ世界選手権の日を迎えた。
全日本選手権を終えてからベルギーに渡って約2ヶ月間、本場のシクロクロスレースを数多くこなしてきたが、その遠征の締めくくりとなるレース。
会場のオランダ、Hogelheideは過去にジュニアのワールドカップで2度走ったことがあり、林の中のアップダウンを利用したとてもタフなコース。レース当日は青空が広がっていたが、前日に降った雨の影響でコースの多くに泥、そして深い轍が残っている難しいコンディションであった。自転車が埋まってしまうような泥では無いが、粘土質で非常にスリップし易い。また滑り易いコーナーにハイスピードで突っ込んでいく箇所が多く、ライン取りや自転車の上で上手くバランスをとれるかで全くコーナーを抜けるスピードが変わってくる。
マッド用のタイヤで、少しでもグリップを良くするために空気圧を1.2気圧まで落としてレースに臨んだ。
スタートは4列目。ちょうど全選手の真ん中ぐらいの位置。
まずは長いアスファルトの直線、ここでは順位を落とすことは無かったが、最初の左コーナーで前の選手が転倒し、それを避けるのに少し手間取ってしまった。だがこれも予想していたこと。慌てること無くレースを進める。今回はコースを3日間も走り込んでいるため、自分の得意なパートや前に出られるセクションをよく分かっており、少しずつ順位を上げていくことができた。しかしコース中盤で機材トラブルが発生。焦りもあって復帰するのに時間がかかり、再び順位を落としてしまう。
1周目は40番手中盤で通過。目標としていた位置よりもかなり後方になってしまったが、とにかく前に上がっていくことだけを考える。前回のワールドカップでは前に上がりたいという気持ちから落車も増えてしまったが、今回はそういった大きなミスは無く集中力を保てている。今まで海外のレースでは苦手意識のあったランニングセクションも今日は調子が良く、周りに劣らないスピードでこなせていた。
しかしなかなか40番台から抜け出せない。シクロクロスでは前に出られるセクションが限られるため、短い時間で爆発的な力を出すことが重要。MTBのように長い登りはないため、コーナーとコーナーとの僅かな区間で一瞬の力を出して選手を抜かなければならない。そういったインターバルのかかる走りがこの日はできなくて、追い込めてはいるのだが順位を上げるためのパワーが足りていなかった。またコース上にできた深い轍にタイヤをはめていくセクションで恐怖から慎重になり過ぎてしまい、無駄にスピードを落としてしまっていた。
これまで大きなトラブル無く走ればワールドカップで完走できなかったことは無かったため、当然ラスト1周に入るつもりでいた。しかしまさかのラップアウト。トップの選手が単独で独走していて、そのラップタイムは自分が予想していたよりずっと速いタイムだった。
正直に言ってショックだった。優勝したのは自分と同い年の選手で、過去にジュニアの世界選手権で一緒に走っている。そのとき彼は2番手で、自分は19位。もちろん当時から実力には大きな差があったが、タイム差は今よりずっと少なかった。
レース後にU23のレースの動画を見て、トップ選手の走りを観察してみた。予想していたことではあるが自分とはスピードだけでなく、走り方も違うことに気づかされた。
例えば逆バンクになっている滑り易いコーナーなどでは、自分は自転車を傾ける側の脚をペダルから外してクリアしていた。もし自転車がスリップしたときに脚をつければ転倒しないで済むからだ。転倒してしまえば大きくタイムを失ってしまうので、危険なセクションではタイムを稼ぐことよりも失わないことを意識して無難にクリアすることを考えていた。だがトップ10あたりの選手を見ているとコーナーで殆ど脚を出さない。まるで下の路面がグリップの良いアスファルトであるかのように、もの凄いスピードでコーナーを抜けていくのだ。おそらくペダルから脚を外さない理由は、コーナーを抜けた後にペダルに脚をはめ直すことによってコーナー出口での加速が遅れてしまうからだろう。実際コーナーひとつでも明らかに自分とはスピードが違う。トップ選手はこうやって1秒でも速く走ることを考えてレースをしているのかと驚かされた。
こちらではコーナーだけでなく、映像だと簡単に見えてもひとつひとつのセクションが本当に難しく、転倒やミスを恐れた無難な走りをしていては全くスピードが上がってこない。そして常に攻めた走りをしているトップ選手ともどんどんとタイム差が広がっていってしまう。もちろん一か八かの走りは良くないが、レース中も攻めるところは攻める、またレース前の試走や普段のトレーニングからそういう気持ちで練習していかなければ、今後成長していけないと思う。少なくともヨーロッパのシクロクロスで結果を残すことは出来ないと感じた。
来年に向けてフィジカルとテクニックを鍛えることはもちろんだが、1秒でも速く走るにはどうすればいいのか、どこでリスクを背負う必要があるのかなども考えてレースをしなければならないと痛感した。
今回レースの走り方や考え方から変えなければならないと感じることが出来たのは、やはり2ヶ月間本場のシクロクロスを経験してから迎えた世界選手権だったからだと思う。トップ選手と自分の違いは何なのか?はっきりとした答えを見つけることが出来たと思う。
このような貴重な経験を積める環境を頂きながらもワールドカップ、世界選手権を通してよい結果を残すことが出来なくて申し訳ない気持ちです。ただ僕としては今回の遠征は本当に得る物が大きく、ベルギー来て本当に良かったと思っています。
今の気持ちを忘れず、必ずこれからの選手生活に生かしたいと思います。
これまで沢山の応援、サポートを頂き、本当にありがとうございました。
今週末の東京シクロクロスを走り、今シーズンのシクロクロスは終了します。
これからも宜しくお願い致します。
BRIDGESTONE ANCHOR CYCLING TEAM
沢田 時
写真は今回の世界戦でNo.1ビブを着て撮影された田中苑子さんから頂きました。
素敵な写真をありがとうございます。
僕もNo.1目指して頑張ります。
使用機材
バイク
ANCHOR CX6
コンポーネンツ SHIMANO 6870系
ULTEGRA Di2
ホイール
SHIMANO DURA-ACE C35
ハンドル SHIMANO PRO
ステム SHIMANO PRO
ペダル SHIMANO XTR
シューズ
SHIMANO SH-M315E
ヘルメット KOOFU WG-1 スペシャル・チームカラー(U23チャンピオン仕様)
グローブ KABUTO(OGK)PRG-3(レッド)
バーテープ KABUTO(OGK)BT-01
ソックス
Wave One
サングラス OAKLEY Racing
Jacket
レンズ Light Positive Red
サプリメント
SAVAS(株式会社明治)
レース前(アップ中):SAVASスポーツウォーター
レース後:リカバリーメーカーゼリー
0 件のコメント:
コメントを投稿