2019年5月7日火曜日

SALCANO-KYOCERA MTB CUP Vojvodina:レースレポート


セルビアで開催されたUCIクラスS1のステージレースに参戦。
結果、総合で17位となりUCIポイントを22P獲得することができました。
以下がレースレポートです。

大会名:            SALCANO-KYOCERA MTB CUP Vojvodina
開催日:   201952~5
開催場所:  セルビア・Novi Sad
カテゴリー: S1
リザルト:           17

前回のギリシャでのステージレースから約1ヶ月が経ち、ここまで順調に調子を上げてくることができている。また機材の面でもこのレースからシマノXTRの新型であるM9100を使用し、12速化したワイドなギヤレシオは大きな武器となる。身体も機材も準備は万全。とても前向きな良い状態で初めて訪れるセルビアでのレースに臨むことができた。

今回はUCIクラス最上のS1クラスであるため、前回のギリシャよりハイレベルなレースとなることは間違いない。事前に予測ができる機材トラブルなどのリスクは可能な限り排除し、積み重なってくる疲労にも上手く対処していかなければならない。UCIポイントを獲得するためにはこれまでのステージレースの経験を生かしながら4日間ミスなく走り切ることが重要である。

Stage1XCT 14km
リザルト:        15
天 候:   晴れ
コースコンディション: ドライ

初日は14kmのコースを1周する個人タイムトライアル。自分の得意な種目ではないが、明日以降のステージで総合順位を争う選手とは最低限のタイム差で終えたいステージ。コース上には前日に降った雨の影響で粘土質な泥区間になっている箇所がいくつかあり、ここにまとも突っ込むと一瞬でバイクに泥が詰まって車輪が回らなくなる。当然大きなタイムロスとなってしまうので、泥区間を避けられるライン取りをしっかりと確認してレースに臨んだ。

前回のギリシャでの反省から序盤の登りは飛ばしすぎないように心がけ、スピードが乗る平坦区間や下りでギヤをかけて走るようにした。新型XTRはトップギヤが10Tになったことで、これまでよりも脚が回り切る場面が減ってタイム短縮に繋がっていることを感じる。

ゴールまでしっかりと追い込み切り、15位でのフィニッシュとなった。順位としては全選手のちょうど真ん中の位置だが、トップ10までは1分ちょっとのタイム差であるので自分としては良い形で初日を終えることができた。明日の第2ステージが最長のマラソンレースで総合成績に最も重要な日となる。トップ10まで順位を上げられるように集中して臨みたい。


Stage2XCM 27.5km×2Laps
リザルト:   15  
天 候:   晴れ
コースコンディション: ドライ

第2ステージは55kmのマラソンレース。4日間の中での最長ステージであり、総合タイムに大きく関わってくるので最も重要な日といっていい。

マラソンレースと言っても前半から速いペースでレースが進むことは予想できていたので、ウォーミングアップは念入りにこなす。しっかりと準備をしてスタートに並んだつもりであったが、始めの登りから予想外に脚が動かずに周りのペースについていくことができない。5kmほどの登りの中で少人数の集団がいくつか形成されていくが、自分はどの位置にもつけずに単独での走行になってしまった上に、登り切ってからも集団走行の方が絶対に有利なアスファルトのアップダウンが続いている。順位はおそらく25番手ほど。総合成績を上げるどころか、このままで挽回不可能な位置まで脱落することになってしまう。幸いにも一度下りを挟んだことで脚は少し回復して動くようになってきた。前の集団から落ちてきたウクライナの選手とパックになり、先頭交代をしながら1分ほど先にいる集団を追いかける。前の集団から単独で落ちてきた選手には追いつくことができるが、なかなか大きな集団は見えてこない。しかし脚の調子はどんどんと良くなっているので諦めずに前を追いかける。


1周目を終えて22位の位置と教えてもらう。30秒ほど先には遂に5名ほどの大きなパックが見えてきた。すぐに追いつけると思ったが、1周目も遅れてしまった斜度の変化が激しい登りに入るとなかなか差が詰まらずに苦しい時間が続く。自分が苦手とする登りで単独ではペースが掴みにくいが、長いアスファルト区間に入る前にペースを上げてなんとか追いつくことができた。集団走行で一旦脚を休ませながら、さらに一人の選手に追いついて7名の大きな集団になる。しかしこのまま集団で走っていても総合成績を上げることはできないので、アスファルトの長い登りでアタックして集団から抜け出した。順位でいえば17番手まで持ち直すことができているが、明日以降のステージで逆転するためには少しでも前を走る選手との差を詰めてゴールしたい。

30秒ほど前に見えてきた単独で16番手を走る選手が良い目標となり、長い登りで集団を振り切ってからもペースを落とさずに登り続けることができた。追いついたところで後ろを見ればもう選手は見えない。2人のパックでさらに前を追いかける。下り区間には自分が先に入り、全力で攻めて数秒のリードを得てラスト2km。平坦区間で再び追いつかれるが、後ろに付いて脚を休ませながら前の選手との差が詰まっていることを確認。ゴールまで上手く走ればもう一つ順位を上げることができる。

最後の登り区間でアタックして単独となり、ゴールまで残り1kmのところで15位の選手に追いついた。自分にも余裕はないが、一気に追い抜いてゴールまで全力を振り絞る。そのまま15位でのフィニッシュとなった。


2周目に大幅に順位を上げることはできたが、やはり前半の出遅れが響いて総合順位では16位に落ちてしまった。ウォーミングアップが不足していたというよりは、斜度の変化の激しい長い登りに対応する練習が積めていなかったことが原因だと思う。
悔しい結果となってしまったが、明日のXCCではスタートから積極的に展開していく走りを取り戻して最終日のXCOに繋げたい。

Stage3XCC
リザルト:    21
天 候:   晴れ
コースコンディション: ドライ

第3ステージは30分間のショートレースとなるXCC
3分ほどのコースを10周回で行われた。コースは重い芝のボコボコな路面がメインで、パワフルにトルクをかける走りが求められる。昨日のような後半追い上げる展開は通用しないので、とにかくスタートから全開でプッシュしていくことを心に決めていた。

スタートダッシュでは3列目の位置をキープする形で順位こそ上げられずに15番手付近であったが、1周目からレースの流れに乗ることができた。一列棒状のハイスピードな競り合いの中で前走者を抜くのは容易ではないが、180度ターンでブレーキングのポイントを変えてイン側に突っ込みながら順位を上げていく。3周目には9位の位置まで上げることができた。

昨日とは全く違った攻めのレースを取り戻せていることが嬉しいが、あまりにも重たい芝の路面に苦戦して徐々にスピードが落ちてくる。5周した段階でかなりきつく、後方から5名ほどのパックに追い抜かれて一気に順位を落としてしまう。オーバーペースだったことは否めないが、あくまで順位よりも総合タイムが大事であるので残りの力を振り絞ってゴールを目指す。たったの30分のレースであったが、これまでの3ステージで最もハードに追い込めたレースであった。21位でのゴールとなった。

順位こそ奮わなかったが、自分がやりたい展開に挑戦しての結果なので悔いはない。明日のXCOに向けても良いイメージを掴むことができた。
現在の総合順位は15位。前とのタイム差を考えると今の順位をキープすることが現実的な目標となってくる。内容も結果も充実したレースをして、このステージレースを締めくくりたい。


Stage4XCO
リザルト:    15
天 候:   雨
コースコンディション: マッド

いよいよ迎えた最終日はXCO
天候はこれまでと打って変わって前日から雨。雨が降るとバイクを押して走ることさえ困難な粘土質な路面であるため、去年の同大会ではレース自体が中止になってしまったほどらしい。そしてレース直前に周回数は9周と発表され、どう考えても多すぎる周回数に混乱が走る。XCOと言ってもマラソンに近い競技時間になることが予想でき、相当に過酷なレースになるという覚悟を持って挑んだ。

スタートは3列目から。埋もれることなく順調に走り出すことができた。リアタイヤにマッドタイヤを付けているにも関わらず、登りでのトラクションが相当に悪くて押して走る区間も多い。ランニングは得意なので順位を落とすことはないが、あまりにもスリッピーな路面に戸惑ってなかなか前走者を抜いていくことができない。15位ほどの位置で1周目を終える。

20秒程前を走るパックに追いつきたいのだが、ペースが上がらずに後ろの選手に追いつかれてしまう。調子は悪くないが2周目にもう一つ前のパックに追いつけないことに力の差を感じ、これから改善していかなければならない点だと感じる。2周目で形成されたパックの選手たちとレース中盤からは自分も同じペースを刻むことができているので、ここでのスピードを磨いていくことが今後の課題である。

泥のコンディションは周回を重ねるごとに激しさを増していき、バイクに泥が付着して相当に重い。乗車しても押してランニングで登ってもスピードはほとんど変わらないほど。
あまりに過酷なコンディションに昨日までは先頭争いをしていた強豪選手も順位を落としていく中、14位の位置をキープする形でラスト周回へ。泥が詰まった影響でバイクにトラブルが起きてしまい、直している間に2人に抜かれてしまう。復帰後はすぐに前を追いかけて
一人を追い抜いてフィニッシュへ。15位でのゴールとなった。



残念ながら総合順位では数10秒の差で逆転されてしまい17位となったが、このレースの目標であったUCIポイントは22P獲得することができた。
最後に順位を落としてしまったことは悔しいが、4日間を通して今の自分の力を出し切れた結果であり、今回のレースで感じた課題は次戦への修正点として前向きに捉えて改善していきたい。

そして今回もチームとスポンサーによる万全のサポート、日本からのたくさんの応援のおかげで充実した海外遠征を行えていることに感謝致します。
次戦はポルトガルで開催されるUCIクラス1のXCOレースに参戦します。
引き続き応援のほど宜しくお願い致します。


TEAM BRIDGESTONE Cycling
沢田 時

使用機材
バイク         ANCHOR XR9http://www.anchor-bikes.com/bikes/xr9.html
サスペンション  SR SUNTOUR AXON

コンポーネンツ   SHIMANO XTR M9100シリーズ(http://www.shimano.co.jp
シューズ         SHIMANO  S-PHYRE XC9

ヘルメット                Kabuto フレアー スペシャル・チームカラー
グローブ     Kabuto  PRG-7(ブラックレッド)
                                   (https://www.ogkkabuto.co.jp)

ウエア        Wave One (http://www.wave-one.com)        
サングラス           OAKLEY 
         FieldJacketPRIZM TRAIL
        
サプリメント     SAVAS(株式会社明治)(http://www.meiji.co.jp/sports/savas/
          レース中:ピットインエネルギージェル
                栄養ドリンク風味(カフェイン入り)
                                 VAAM 
          レース後:リカバリーメーカーゼリー

ヘッドバンド   HALO (https://www.haloheadband.jp


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