大会名: UCI
MTB WorldCup 第5戦 Mont-Sainte-Annne
開催日: 2017年8月6日
開催場所: カナダ・Mont-Sainte-Annne
カテゴリー: エリート男子
リザルト: 58位(−2ラップ)
天 候: 曇り
コースコンディション:ドライ
全日本選手権から2週間。
ずっと目標にしてきたレースを惨敗で終えてしまったことへの喪失感は大きかったが、今の自分は日本で4番という現実を受け入れ、弱いからこそ早急に進化していかなければならないと感じている。僕を信じて応援してくれた方々の期待を裏切ってしまったことは本当に悔しい。この先、今よりもっともっと強くなってレースの走りで強い自分を表現していかなければ、この悔しさは晴らすことはできない。気持ちの面でも新たなスタートを切った今、ワールドカップという世界最高峰の舞台で走れる環境を頂けたことには本当に感謝の気持ちしかありません。この北米遠征を必ず実りあるものにしたいと思います。
ワールドカップに参戦するのは2年ぶり、エリートクラスでは初めての挑戦。各国の参加人数に制限がないために、ある意味で世界選手権よりも層が厚くて世界一レベルの高いレースであることは間違いない。世界のレースで揉まれて経験値を高めることも遠征の重要な目的ではあるが、それ以上に初めてのワールドカップで同一周回での完走という最低限の結果を残すことが今回の目標であった。
モンサンタンのコースは20年以上前からワールドカップが開催されている歴史あるサーキットであり、自然の地形を生かした非常にテクニカルなコースとして知られている。4日間かけて試走を繰り返し、コースの攻略に取り組んだ。ロックセクションが非常に多いのが特徴で、岩を避けるライン取りを探すのではなく、岩の上での最速ラインを探していくといった感じである。
世界のトップ選手たちも同様に難セクションで試走しているので、彼らのラインを盗めば最速ラインを見つけることは簡単であるが、同じスピードで走ろうとすると途端にバイク操作が追いつかずに危なかっしい走りになってしまう。試走を繰り返していくうちにある程度ミスなくスムースに走れるようにはなったが、周りのエリート選手と比較してのスピード不足は否めなかった。
さらにレース前日は雨が降ったことで、岩の上はまるで凍った路面のように滑りやすくなって全く思い通りに走ることができなくなってしまった。自分のバイクコントロール技術では恐怖心が先走って身体が思うように動いてくれない。大きな落車をしてダメージを残すことはしたくなかったので、前日の試走は最低限にとどめた。幸いレース当日は晴れて路面はドライコンディションに戻ったために問題なく走れたが、あのスリッピーすぎる路面コンディションでレースをしていたらと思うと本当にゾッとする。
そして迎えたレース当日。バイクはいつものように小林監督に完璧に整備して頂いたことで最高の状態。レースに必要な機材物資は海外のレースに来ても何も不足は無い状態で、スポンサー様には感謝の言葉しかありません。肝心の身体の方も時差ぼけも取れて脚は軽く、かなり良い状態でレースに臨むことができた。今日がいつもの国内のレースであれば、余裕を持ったレース運びができそうだと感じた。しかしワールドカップに臨む以上は必ず自分の限界を超えるほど苦しい場面が訪れ、むしろそこからレースが始まると言っていい。いつも以上にウォーミングアップは念入りにしてスタートラインに並んだ。
そしてスタート。並んでいた位置が既に最後尾付近であったので出遅れることはないが、ポジションを上げることもできずにスタートループを走る。登りではコースいっぱいに選手が広がっていて隙間がなく、下りのスピードも相当速い。前の選手を一人抜くのには登坂力というよりもスプリント力が必要だと感じた。渋滞してバイクを押す時間もありながら、いつものレースよりずっと速いスピードで進んで行く。1周目を終えて50番台後半の位置。スタートからポジションを上げられていない。追い込んでいきたい場面であるのに、身体は酸欠状態で脚に力が伝わっていかない。調子が悪いのではない。いつものレースでは休んで楽をしている場面でもずっと踏む続けたことで、余裕が無くなっているだけだった。いかに普段の国内での走り方が甘かったかを思い知った。後方に数名の選手はいるものの、ほぼ最後尾の位置。登りで前を走る数名のパックに追いつけず、下りで更に離されてしまうということを繰り返す。だんだんと単独での走行が多くなってしまう。今思えば2周目以降にいかに良いパックに入って集団で走行できるかが完走できるかできないかの別れ道であったと思う。あまりにも弱く、レースをできていない自分に腹が立った。初めてのエリートでのワールドカップは−2ラップという結果に終わってしまった。
単純なパワー数値で言えば今シーズンのレースの中で最も高い数値が出ていた。自分自身の調子で言えば決して悪くはなく追い込めたレースではあったのだが、全く実力が足りていない。この舞台での完走が当たり前というレベルに早く達したい。そのレベルにあるのが日本では幸平さんだけであり、全日本で全く力が及ばなかった理由がよくわかって、ある意味すっきりした気持ちでもある。やらなければいけないこと、試さなければいけないことは沢山あって、一つずつ潰していかなければいけない。全日本での喪失感など感じている暇はないことも身に染みてわかった。
まずは今週末のアメリカ・Windhamのレースで今の想いをぶつけていきたい。ワールドカップほどのメンバーは揃っていないが、UCIハイクラスのレースとなるために同様にとてもハイレベルなレースとなる。モンサンタンではできなかった2周目から集団でレースを展開していくこと、そして25位以内に与えられるUCIポイントを獲得することを目標に走ります。
この北米遠征を必ず実りあるものにして日本に帰りたいと思います。
応援のほど宜しくお願い致します。
BRIDGESTONE ANCHOR CYCLING TEAM
沢田 時
使用機材
シューズ
SHIMANO S-PHYRE XC9
ヘルメット Kabuto ゼナード スペシャル・チームカラー
グローブ Kabuto PRG-5(レッド)
Legge
Fit Pro
EVzero(PRIZM TRAIL)
レース前:ピットインエネルギージェル
栄養ドリンク風味(カフェイン入り)
レース中:SAVAS VAAM
レース後:リカバリーメーカーゼリー
グラフィック
プルオーバータイプ(ポルカドットブラック)
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