2020年11月10日火曜日

第33回全日本MTB選手権大会:レースレポート

 大会名:           33回全日本MTB選手権大会

開催日:   2020118

開催場所:  長野県・富士見パノラマスキー場

カテゴリー: エリート男子

リザルト:       3位

天 候:   晴れ

コースコンディション: ドライ

 

2020年のMTBシーズンラストレースにして、最大目標である全日本選手権を迎えた。

一時はコロナの影響で大会の開催さえ心配される中、延期と開催地変更を重ねながらも無事に全日本を迎えられたことは本当に有り難い。大会関係者の皆さまに感謝致します。

 

僕個人、そしてチームとしてもここで勝って日本一になることを第一目標として、ここまで一切の妥協なき準備を進めてきた。

もちろん全日本に勝つということは山本幸平選手に勝つということ。それが簡単でないことは理解していたが、2月のアジア戦での惨敗から今日まで自分にできることは全てやってきた。峠をアタックすれば去年ロードで出したタイムをMTBで更新できるほどにフィジカル面は進化。チームで頻繁に行なってきた周回トレーニングでも過去にない速さで走ることができる。エリートに上がってからこんなにも勝つことへの自信と、楽しみが溢れて迎えられた全日本は今回が初めてだった。日本一は僕の子どもの頃からの夢だが、今やそれは僕一人の夢ではない。チームの第一目標であり、果たさなければならない仕事であり、僕を支えて応援してくれている人の夢でもある。自分の為だった夢で人を感動させることができるなら、選手としてこんなにも幸せなことない。

 

会場である富士見パノラマは11月ということもあって流石に朝晩は冷え込むが、決勝当日の天気は快晴で暖かく、絶好のレース日和となった。

コースは例年通りのレイアウトながら前半部分にタイトなコーナーが増えている。昨夜の雨の影響で滑り易くミスが出易い箇所も多いため、集団はあっという間に分裂するだろう。

 

13時半のスタートに向けて、朝目覚めた瞬間から集中していた。朝のストレッチからローラーでのウォーミングアップでの内容さえ、この日の為に色々と試してきた。いつも通りの準備をこなしていくうちにスタートラインに付いており、珍しく緊張も感じない。ただ自分の全てを出し切ることに集中していた。




定刻通りに5周回のレースが始まった。反応もクリートキャッチも完璧で、直ぐにトップに立つ。登りが長いので出し切り過ぎないことを意識しつつも先頭でゲレンデを登りきる。下り始める直前に幸平さんに抜かれたが、最初の位置取りは成功した。幸平さんは必ず1周目から独走に持ち込もうと仕掛けてくるはず。だから1周目は間に誰も入れずに絶対に離れないと決めていた。単純なパワー勝負の登りでは後ろにいても余裕を感じていたが、下りやコーナリングのスピードは速く休めない。ロックセクションの前後で先頭に出ようと仕掛けるが、動きを読まれており失敗。そこまで速いペースだとは感じなかったが、ペースが緩む場面がないのでずっと集中し続けなければならなかった。




2周目。ホームストレートでペースが落ちて牽制が入るが、まだ登りの序盤なので前に出ないことを選択。10秒後ろにチームメイトの星矢さんがいる状況なので、追いついて3人パックになれば心強い展開。幸平さんはそれを嫌ってか芝生の登りで再びペースを上げてくる。対応はできたが一度インターバルを挟んだからか先ほどより苦しく感じた。なんとか着いて下りに入るが、心拍が下がらずコーナーの立ち上がりの加速に対応するのが苦しい。コーナーの処理に手間取り2秒ほど遅れてしまったが、この差が致命的だった。バームが連続する長い登りを1周目と変わらないスピードで登り続ける幸平さんから徐々に遅れをとる。この登りはスピードが出るほど楽に登れることは分かっているのだが、悔しいことに脚がこれ以上動かなかった。星矢さんに抜かれて2人の2位パックとなり、2周目を終える。この周だけで一気に40秒近く離されしまった。



3周目。もし一緒に走っているのが星矢さんでなかったら、直ぐに千切れて僕のレースは終わっていただろう。それほど苦しい時間だった。しかし星矢さんがこの全日本に懸ける想いを知っているからこそ、絶対にこれ以上遅れるわけにはいかなかった。これまで星矢さんの全日本とアジア戦での卓越したパフォーマンスと、その為の妥協なき準備を何度も見てきた。星矢さんがいたから僕も本気で日本一を目標とできたし、そのための努力がいかに厳しいものかを知ることができた。今の自分は前を引くことはできないが、一人より二人のパックの方が必ず速く走れる。そして先ほど僕が遅れた長い登りで星矢さんは幸平さんとの差を僅かに詰めていた。まだ僕も星矢さんもフィードにいるチームの誰もが日本一を諦めていない。

 

4周目。残り2周回。この周で差を詰められなければ自力での優勝は難しくなる。ホームストレートの登りで苦しそうな星矢さんに変わって自分が先頭に立つ。とにかく力の残っている方が前に出てペースを落とさないことだ。それでも幸平さんとの差はジリジリと開いている。

 

5周目。最終周回。星矢さんから少し先行して2番手で入る。先頭とのタイム差は75秒。ゴールに向けてラストスパートをかける星矢さんはスピードが格段に上がり、長い登りで離されてしまう。一瞬気持ちが切れかけるが、応援の声に助けられる。最後まで全力で追い込み、自分の全てを出し切った。3位でのフィニッシュとなった。

 

悔しいが完敗であった。勝つための自分の動きにミスはなく、万全の体調とメンタルを持ってしても勝てなかった。2周目に幸平さんから離れてしまったこと、その後にタイム差を詰めている星矢さんを助けられなかったこと。悔しい場面が思い出される。来年の全日本に向けての具体的な課題を今のうちに考えておくと、今回苦しめられた独特の踏み方をするバームの長い登りの強化、下りでブレーキングを減らしてコーナーを抜けるスキル、あとは本格的な高地トレーニングの導入も必要かもしれない。この全日本を迎えるまでは完璧な準備ができたと思っていたが、終わってみれば足りていなかった自分の弱い部分に気づくことができた。本気で準備して挑んだレースから得られるものはとても多い。このレースも必ず将来の自分の成長に繋げたい。



 

そしてこの日のために本当に多くの方にサポートと応援を頂けた事に感謝します。

ありがとうございました。

全日本に向けてチームのみんなで本気で過ごしてきた日々は、僕を大きく成長させてくれました。これからも今日までの日々に負けないような時間を常に更新し、もっと強く進化したいです。

 

まずは3週間後の全日本シクロクロスに向けて、最大限の準備を進めます。

全日本は勝つための場所。最高の舞台で、今度こそポディウムの真ん中に登ります。

 

TEAM BRIDGESTONE Cycling

沢田 時


髙田さん、写真ありがとうございます!

 

使用機材

 

コンポーネンツ   SHIMANO XTR  M9100シリーズ(http://www.shimano.co.jp

シューズ         SHIMANO  S-PHYRE XC9


サスペンション  SR SUNTOUR AXON

 

ヘルメット                Kabuto IZANAGI スペシャル・チームカラー

グローブ     Kabuto  PRG-5(ブラックレッド)

                                   (https://www.ogkkabuto.co.jp)

 

ウエア        Wave One (http://www.wave-one.com)        

サングラス            OAKLEY 

         JawbreakerPRIZM TARAIL TORCH

        

サプリメント     SAVAS(株式会社明治)(http://www.meiji.co.jp/sports/savas/

          レース中:ピットインエネルギージェル

                栄養ドリンク風味(カフェイン入り)

                        VAAM 

          レース後:リカバリーメーカーゼリー

 

メーター         Pioneer SGX CA-600 http://pioneer-cyclesports.com/jp/

ヘッドバンド   HALO (https://www.haloheadband.jp








2020年9月28日月曜日

Coupe du Japon Misaka International:レースレポート


 大会名:      Coupe du Japon Misaka International

開催日:   2020927

開催場所:  山口県下関市・深坂自然の森

カテゴリー: UCI Class3 エリート男子 

リザルト:    2位

天 候:   晴れ

コースコンディション: ドライ

 

国内シリーズの第3戦が山口県下関市の深坂自然の森で開催された。

この大会は国内では今季初となるUCIレースであるが、今の目標はポイント獲得というよりは6週間後の全日本選手権に向けていかにポジティブな内容のレースができるかどうか。全日本で勝つためにフルメンバーが揃ったこのレースでも積極的なアタックを恐れずに繰り返し、勝つために必要な展開を自ら作っていくレースをすることが重要だと考えていた。身体のコンディションも夏場から高い水準で維持できており、大きな自信とモチベーションを持って臨んだ。

 

コースは常設コースということもあって流れが良く、スピーディーな造りでとても走り易い。

路面が荒れた箇所ではパンクのリスクが高いことを承知していたが、少しでもバイクを進めるために空気圧はギリギリまで低く設定した。

 

土曜日は前哨戦となるXCCが開催される。XCOの最前列8人を決めるためのレースでショートコースを3周する20分間の短期決戦。今のコンディションであれば8位以内に入ることは確実なので、経験を得るためにも牽制せずに積極的にいこうと考えていた。スタートからトップに立ってレースを引っ張る。すぐに4人の先頭集団が形成された。ホームストレートでかかるアタックにも全て反応し、2周目も先頭で走り続ける。4人パックのまま最終周回へ。しかし滑り易い川渡りの登り返しで痛恨のスリップ。すぐにバイクを降りて走るが、この隙に先行を許してしまう。2位争いの3人のスプリントになり、3位のフィニッシュとなった。悔しいが身体のコンディションは良く、明日への楽しみが増したレースであった。レース後にミスをしたセクションのライン取りをもう一度確認し、回復に専念して翌日の決戦に備える。

 

そして迎えたXCO当日は快晴で、滑り易かった路面も回復傾向。より高速な展開が予想される中、7周回のレースが始まった。スタートは前日より前にいきたい選手が多くペースも速いが、身体のキレは良く周りの動きを見る余裕がある。シングルトラックに入る前にペースをあげて、山本選手に続く2番手で入った。ペースは速いが十分に対応できるスピード。早く一騎打ちの展開に持ち込みたかったので、登り終わりで先頭に立って更にペースを上げる。再び抜き返されるがしっかりとマークして4人のパックで1周目を終える。

 

2周目も山本選手と入れ替わりながら先頭で展開。後ろの2人は前に出る余裕が無いように見えたので、中切れに巻き込まれないように常に2番手以内の位置をキープする。登りよりもコース中盤の下りと平坦区間のペースが速く苦しいが、後ろの2人とは若干の差が広がっていることが分かったので、ここはとにかく後ろで我慢。2周目を終えて2人のパック。しかしホームストレートでは山本選手はチームメイトの北林選手を待ちたいようでペースを大きく落とす。自分としてはアスファルトの登りが勝負所であるので、この動きに合わせていては後手に回ることになる。一息ついてから後ろからラインを変えて思い切りアタック。キレは良かったが、今思えば仕掛けるタイミングが速すぎた。シングルトラックに入る前に抜き返されてしまい、一気に苦しくなる。10秒ほどの差がついてしまうが、この場面が訪れることもレース前に想定できていたので焦らない。ここからが勝負。単純な登りでは負けていない自信があるので、背中が見える範囲で抑えられれば、次の周回の先ほどアタックした登りを使って追いつく自信はある。



しかしその重要な場面でリアタイヤのパンクに気づく。どこでやってしまったのかは分からないが、山本選手を追いかけるためにバイクが暴れてかなり荒い走りになってしまっていたのは事実。幸いスローパンクでピットまでの距離は近く、小林監督に僅か15秒ほどの時間でホイールを交換してもらいリスタート。パンクで失った時間はトータルで30秒ほどだろうか。この間に北林選手に抜かれて3番手に落ちる。先頭から50秒、北林選手から15秒の差で4周目へ。このままワンツー体制を築かせるわけにはいかない。アスファルトの登りで一気に北林選手との差を5秒まで詰める。下りや荒れた路面では再び差は広がるが、もうそれは仕方がないと割り切って今の自分ができる最速の走りに集中。もう一度パンクさせる恐怖心と戦いながら、確実に踏めるセクションで差を詰めた。

 

5周目のアスファルトの登りで2位に上がり、少しでも山本選手との差を縮めようとプッシュし続ける。後ろから北林選手のプレッシャーを感じるが、それを苦しいのではなく楽しいと感じるようにした。ずっとレースができなかった今シーズン、こんな真っ向勝負ができることをどれほど待ち望んでいたことか。この時間のために全てを注いてきたのだから、楽しくないはずがない。

 

残念ながら先頭には届かなかったが、2位でのゴールとなった。悔しいが自分のできることを全て試せたので後悔はない。まだまだ速くなれる手応えも感じている。トラブルが起きても集中力を切らさなかったのは、調子の良い証拠でもある。ここで得たものを6週間後の全日本で全て返せるように、引き続き精進して参ります。



最後にコロナ禍で大変な情勢の中で、素晴らしいコースでレース開催して頂いた大会スタッフの皆様、サポート頂いているチームとスポンサー各位、応援して頂いた方々に感謝いたします。ありがとうございました。

 

6週間後の118日に必ず日本一の選手となります。

引き続き応援のほど、宜しくお願い致します。

 

TEAM BRIDGESTONE Cycling

沢田 時

 

使用機材

バイク         ANCHOR XR9http://www.anchor-bikes.com/bikes/xr9.html

サスペンション  SR SUNTOUR AXON

 

コンポーネンツ   SHIMANO XTR  M9100シリーズ(http://www.shimano.co.jp

シューズ         SHIMANO  S-PHYRE XC9

 

ヘルメット                Kabuto  IZANAGI スペシャル・チームカラー

グローブ     Kabuto  PRG-5(ブラックレッド)

                                 (https://www.ogkkabuto.co.jp)

 

ウエア        Wave One (http://www.wave-one.com)        

サングラス            OAKLEY 

         JawbreakerPRIZM TRAIL TORCH

        

サプリメント     SAVAS(株式会社明治)(http://www.meiji.co.jp/sports/savas/

          レース中:ピットインエネルギージェル

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                                VAAM 

          レース後:リカバリーメーカーゼリー

 

メーター         Pioneer SGX CA-600 http://pioneer-cyclesports.com/jp/

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2020年8月3日月曜日

CJ-2びわこ高島STAGE:レースレポート


大会名:            CJ-2びわこ高島STAGE
開催日:   202082
開催場所:  滋賀県高島市・朽木スキー場
カテゴリー: エリート男子
リザルト:        優勝
天 候:   晴れ
コースコンディション: ドライ

国内公式戦2戦目となるCJ-2びわこ高島 朽木大会に参戦。
地元滋賀県でのレースということもあって優勝した開幕戦以上の最高のパフォーマンスを発揮したいと意気込んでいた。

およそ4ヶ月ぶりのレースとなった2週間前の菖蒲谷大会を迎えるまで調子はずっと右肩上がりであったが、レースを終えてからは体調に変化が現れた。とても調子の良い日もあれば、通常通りのメニューがこなせない程に疲労している日もあるなど体調のブレが大きく、モチベーションの高さに身体が付いて来られていないように感じた。同様のことは過去にも経験しているので、焦らず練習のボリュームを下げてレース当日がベストコンディションとなるように調整した。

朽木のコースはゲレンデの直登を繰り返すハードなコースで、路面の殆どに砂利と呼ぶには大きすぎる岩石がゴロゴロと露出している。こういった路面では登りではパワーを地面に伝えるのが難しくて体力を削られる上、下りではオーバースピードになった際のリカバリーが効かずに落車のリスクが大きい。また滑る路面に合わせてシッティングばかりの走行になってしまうと特定の筋肉の疲労や腰痛を引き起こして後半のペースダウンに繋がるので、ダンシングで登ることができるポイントを試走でしっかりと確認した。

梅雨が明け、日差しも強く夏本番といった暑さを感じる中、14時定刻に8周回のレースが始まった。
スタートしてすぐに2分半ほどの登りが始まるため、全力でのダッシュはせずに落ち着いて走り出す。一名の選手が飛び出したが無理に追いかけることはせずに2番手の位置で登りに入った。斜度が上がるとすぐに追いつき先頭に立つ。まだまだ登りが長いので8割ほどの力で踏んでいたが、後ろをみると既に1人で集団から飛び出している状態であった。後ろに戻る必要もないので、そのままマイペースで最初の登りをクリア。下りは安全にいって体力の回復に務め、次の登りではダンシングも入れながら積極的にペースを上げていく。後ろとの差はどんどんと開いており、自分ができる最速のペースを保つことだけに集中した。



かなり気温が高かったがフィード地点での毎回の掛水によるクーリングの効果は大きく、暑さによる疲労は感じなかった。路面が荒れた長い登りも周回を重ねるごとにハードに感じたが、応援の力に助けられる。2周回を終えた時点でトラブルを起こさなければ勝てることは間違いないと確信していたが、未来の自分のためにもっと追い込むことができるはずだと登りでは自分を鼓舞しながら走った。そして最後は後続とは4分以上のタイム差を付け、優勝することができた。





序盤の競り合いもなく菖蒲谷に比べれば楽なレース展開ではあったが、そんな中でも前回以上に高いパワーで踏めていたことは自信になった。このレースに向けての調整は上手くいったと思うが、冷静に今の自分の状態を考えると一度疲労を完全に抜いて、再び有酸素域のベースからしっかりと時間をかけてトレーニングしていくことが更なるパフォーマンスの向上に繋がると思うので実践していきたい。


次戦は9月末のワールドカップへの参戦を計画している。ここで日本人最高位での完走を果たせれば、10月の全日本での優勝という目標に限りなく近づいた状態であると言えるはず。
残り2ヶ月弱で、さらに上のレベルの選手となれるように精進していきます。

そしてこの大会を開催して頂いた運営の方々、チームとスポンサー各位、そしていつも応援下さる全ての皆様に感謝致します。地元での勝利はやはり格別に嬉しいものでした。ありがとうございました!

僕はまだまだ強くなって、必ず日本一の選手となります。
これからも宜しくお願い致します。

TEAM BRIDGESTONE Cycling
沢田 時

使用機材
バイク         ANCHOR XR9http://www.anchor-bikes.com/bikes/xr9.html
サスペンション  SR SUNTOUR AXON

コンポーネンツ   SHIMANO XTR  M9100シリーズ(http://www.shimano.co.jp
シューズ         SHIMANO  S-PHYRE XC9

ヘルメット                Kabuto IZANAGI スペシャル・チームカラー
グローブ     Kabuto  PRG-5(ブラックレッド)
                                   (https://www.ogkkabuto.co.jp)

ウエア        Wave One (http://www.wave-one.com)        
サングラス           OAKLEY 

    RadarEVPath Kokoro CollectionPRIZM RBLACK

        
サプリメント     SAVAS(株式会社明治)(http://www.meiji.co.jp/sports/savas/
          レース中:ピットインエネルギージェル
                栄養ドリンク風味(カフェイン入り)
                                 VAAM 
          レース後:リカバリーメーカーゼリー

メーター        Pioneer SGX CA-600 http://pioneer-cyclesports.com/jp/
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2020年7月20日月曜日

CJ-1 菖蒲谷クロスカントリー:レースレポート


大会名:            CJ-1 菖蒲谷クロスカントリー
開催日:   2020719
開催場所:  兵庫県・菖蒲谷森林公園
カテゴリー: エリート男子
リザルト:        優勝
天 候:   晴れ
コースコンディション: ドライ

およそ4ヶ月ぶりとなるレースを兵庫県の菖蒲谷で迎えた。
世界中にパンデミックが起こった3月に欧州から帰国後、チームで綿密に計画してきたレーススケジュールは一旦全て白紙となってしまった。そんな中で延期されていた国内シリーズ開幕戦のCJ-1菖蒲谷大会が7月に開催されることとなり、参戦することを決めた。もちろん目標は優勝すること。ここで勝つために行なう準備とそれによって得られる自信は、最大の目標である日本一へ向けても確実にプラスに働くと考えた。レースが無いことを十分に準備する時間を貰ったチャンスと捉え、誰よりも強くなってこの日を迎えようと意気込んでいた。何よりもあらゆる判断が非常に難しい今の状況の中でレースを開催して頂くことに感謝の気持ちが大きく、出場するからには選手として最高のパフォーマンスを発揮したいというのは当然の想いであった。

3月の時点でも調子が上がってきていることは感じていたが、日本に帰国して練習だけに専念し出してからは更に飛躍的にパフォーマンスが上がっていった。パワー数値は全ての時間で自己ベストを大きく更新。また移動がなく生活が安定しているためか身体もストレスなく絞れていった。これまでは体重を落とすとただでさえ苦手なスタートダッシュの爆発力が落ちるのが課題だったが、今回は筋力もしっかりと残して減量できたので身体のキレがとても良かった。過去最高の状態だと言い切れる。この4ヶ月間で学んだことは、本当に強くなるためには焦らずにしっかりと時間をかけて正しい生活を積み重ねなければいけないということ。レースで調子は上がるかもしれないが、強くなるには練習しかない。当たり前のことだがレースが無い時間だったからこそ改めて気づくことができた。このことは今のコロナ禍が収まってからも忘れないようにしたい。

菖蒲谷のコースは近年の世界のXCOの特徴を強く意識したハードで素晴らしいコースだった。登りはしっかりと斜度があり、下りは非常に造り込まれていてジャンプセクションと急勾配なコーナーの連続。非常に難易度が高くて慣れないうちは1周走るだけで疲労を感じたが、地元の選手に最速ラインを教えてもらいながら徐々にリズムを掴んで楽しめるようになった。

土曜日はXCCが開催され、これは翌日のXCOでのスタート位置を決めるための前哨戦。4位までに入れば最前列に並ぶことができる。ショートコースを2周する約15分間の短期決戦。

スタートダッシュは今までの競技人生でベストではないかと思うほど完璧に決まったが、想定していたよりも直線の距離が長く先頭で長く踏み過ぎる形になってしまった。それでも最初の登りで集団から抜け出し2人のパックに持ち込めたが、2周目に仕掛けられたアタックに対応できずに離されてしまい2番手でのゴールとなった。久しぶりのレースと調子が良いことの興奮で、少し冷静さに欠けたレースをしてしまったように思う。しかし翌日に向けてスタートダッシュの位置取りと登りでのアタックポイント、調子の良い選手を見極められたことは非常に大きい。
敗れはしたがむしろ翌日のXCOに向けての自信を深めることができた。

龍野マウンテンバイク協会様より

龍野マウンテンバイク協会様より

そして迎えた本番のXCO。天気は薄く雲が掛かっている程度で晴れているが、かなり蒸し暑さを感じた。フィードにしっかりと周回数分の掛水を用意してもらう。他にも暑さ対策としてWAVEONEのウエアの中で一番涼しさを感じるデュアルスーツを選択。Kabutoの新型ヘルメットのIZANAGIも風の抜けが非常に良いので、このレースに最適であった。
ウォームアップの時は昨日より少し身体が重い感覚があったが、自分にとってそれはしっかりとエネルギーが満ちていて調子が良いサインである。

最前列からスタートループ+6周回のレースが始まった。昨日よりは落ち着いているが十分に速いペースの中で2番手の位置をキープする。滑り易いセクションで後ろの選手にミスがあったようで、平林選手と共に5秒ほど先行することができた。これはラッキーな展開。しかしスタートループでは仕掛けないと決めていたので、最初の登りは後ろからの追い上げを待つ。北林選手が勢いよく先頭に出てきたので、マークしながらスタートループを終えた。竹内選手を含む3名の先頭パックが形成されて本コースに入る。後ろの選手とは既に差が開いており、この2人に負けないことが今日勝つということだと直感で分かった。



コース最大の難所である「北壁」と言われる登りに入る。およそ3分半の登坂で序盤は緩いジープ道だが、最後に34-51Tのギヤを使うほどの激登りが現れる。ここで仕掛けようと思っていたが、登り口から北林選手のペースが速く前に出る余裕が無い。逆に最後の激登り区間で5秒ほど先行されてしまった。下りで更に差が広がり10秒差。離れていた竹内選手にも追い抜かれて3番手に落ちる。まずい展開であるが、まだ自分の中の限界は超えていないので焦らない。次のアタックポイントに向けて竹内選手の後ろで呼吸を落ち着かせることに集中する。





先頭からおよそ10秒の差で2周目へ。再び北壁の登りに入るが、登り始めてすぐに北林選手の背中が近づいてきていることが分かった。確実に追いつけると確信したところでペースを上げて単独となり、頂上手前で先頭に追いついた。後ろで息を整えながら相手の様子を観察し、アタックのタイミングを見計らう。コースがとにかくハードで回復に時間が掛かるので、一発で決めることが重要であった。余力は自分の方があることを確信し、狙っていた登りで先頭に出てペースを上げる。すぐに差は開いて15秒の差をつけて3周目へ。



前を追いかけている時は限界ギリギリの状態であったのに、単独で先頭に出ると身体がフッと軽くなった感じがする。レースでしか味わえない久しぶりの感覚にどんどんと集中力が増していくことが分かった。蒸し暑さでかなりの発汗量であったが、HALOのヘッドバンドのお陰で視界がクリアに保てていることも非常に助かった。フィードで毎周回掛水を貰いながら、身体のクーリングを心掛ける。



自分のペースを刻みながら、確実にタイム差を広げていくことができた。アタック後に少し落ちたラップタイムも後半にかけて取り戻し、最後は2分半以上の差を付けてゴール。
久しぶりのガッツポーズと小林監督とのハイタッチが最高に嬉しかった。


これで負けたのならば仕方がないと思えるほどに入念な準備をして臨むことができ、想像以上のパフォーマンスを発揮できたことに満足しています。もちろん自分のゴールはここではなく、日本一という目標に向けて更に力を磨いていきたいと思います。




レースが無い間もサポートをし続けて頂いたチームとスポンサー各位、小林監督、応援頂いた皆様、大会運営の方々、全てに感謝致します。ありがとうございました。
この勝利が今シーズンのスタートであることを願っていますが、今一番大切なのは世界中の人々の健康です。引き続き自分のすべきことには決して注意を怠らず、この先にどんな未来が待っていようと選手生活に真摯に取り組んでいきたいと思います。

今後とも宜しくお願い致します。

TEAM BRIDGESTONE Cycling
沢田 時

写真はSLmの中川さんより。いつもありがとうございます! 

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バイク         ANCHOR XR9http://www.anchor-bikes.com/bikes/xr9.html
サスペンション  SR SUNTOUR AXON

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ヘルメット                Kabuto IZANAGI スペシャル・チームカラー
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                                   (https://www.ogkkabuto.co.jp)

ウエア        Wave One デュアルスーツ(http://www.wave-one.com)        
サングラス            OAKLEY 
         JawbreakerPRIZM TRAIL
        
サプリメント     SAVAS(株式会社明治)(http://www.meiji.co.jp/sports/savas/
          レース中:ピットインエネルギージェル
                栄養ドリンク風味(カフェイン入り)
                                 VAAM 
          レース後:リカバリーメーカーゼリー

メーター         Pioneer SGX CA-600 http://pioneer-cyclesports.com/jp/
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2020年3月29日日曜日

Justiniano Hotel Cup C2:レースレポート

大会名:            Justiniano Hotel Cup C2
開催日:   2020314
開催場所:  トルコ・アランヤ
カテゴリー: C2
リザルト:        14
天 候:   晴れ
コースコンディション: ドライ

ステージレースから中5日間で迎えたトルコ・アランヤでのXCO二連戦。土曜日はUCIクラス2レースであり、トルコでの初戦であった先月の大会と同じコースでの開催となった。この会場は滞在先からのホテルから近く、普段の練習でも走り込んでおりホームコースと言っても過言ではない。

トルコ生活も1ヶ月となり、ロシア、ウクライナ、カザフスタンなど自分たちとずっと同じレースを走っている選手も多い。連戦を通してここまで調子が上がっている実感はあるので、今回のレースでは今までの自分がいる位置よりも前で走ってきた選手たちとゴールまで競い合いたい。

スタートは前回のレースで左端に並んで落車に巻き込まれた記憶があったので、右端に並んだ。3列目の位置からジャンプアップはできなかったが、20番手ほどで周回に入る。コース上の大半がシングルトラック。油断すると後ろから抜かれる区間、前の選手を追い抜けるポイントは全て把握できているので、少しずつ順位を上げながら落ち着いて走れている。渋滞ポイントも早めにバイクから降りて切り抜け、順位を上げることに成功。

XCOレースでの体の調子は2周目に入った時に大体わかる。今日の自分は非常に調子が良く、これはいけるぞという感覚。2月のレースでは失速していたポイントでもギヤを一枚上げて走ることができている。追い込めていて息は上がっているが脚が限界というわけではない。今までよりも一段上のレベルの選手たちとパックで走ることができ、テクニカル区間もスムースな上に無駄な牽制もないので非常に走りやすい。もちろんペースは速くて何度か千切れそうになるが、コースの中間地点に周りの選手と比べて自分の方が力を使わずに速く走れる区間があったことに助けられた。他の選手とパワーをかけるタイミングが違うだけであるが、このコースでの周回練習の時に見つけておいた技術を発揮することができた。

レースは残り半分。ウクライナチャンピオンのペースアップに対応できず、13番手パックで進めていく。30秒ほど前には前回のステージレースを先頭パックで走っていた選手たちが見えており、ポイント圏内のトップテン入りにもまだチャンスはある。どの区間でも踏み負けてはいないが、ここから抜け出して前に行くためにはコーナーの立ち上がりで一気に差を付ける爆発力が必要。今日の自分の調子はかなり良いが、まだその能力は足りていないと感じた。

ラストラップ。トルコチャンピオンに追いつき、3人のパック。余裕がない中で何とか2番手の位置をキープするが、前の選手のアタックに反応できず中切れを起こしてしまった。トルコチャンピオンにも抜かれて順位は15番手。諦めの気持ちが一瞬浮かびかけるが、前には別の選手が見えてきた。ゴールまでに追い抜けるポイントは一箇所のみ。その区間を全力でアタックし、スプリントに持ち込まないないように最後の力を振り絞る。一度離されたパックには追いつけなかったが、全てを出し切って14番手でのフィニッシュとなった。

2月のレースと比べるとコースコンディションが良かった影響も大きいが、全く同じコースと周回数でありながらゴールタイムは14分近く速かった。実際に走っている感覚も大きく違っており、失速する場面が無くて非常に集中できていてレースが短く感じた。今回はステージレースを終えてから3日間しっかりと回復に専念し、完全に疲れが取れた状態でこのレースへ向けた練習を再開したことが良かったと思う。練習のボリュームも適切であったと思うので、次戦にもこの経験を生かしていきたい。

課題はレース中に感じた前走者との僅かな差を詰めるスプリント能力。荒れた路面ではトルクをかけてバイクを暴れさせずに前に進める能力が必要だが、それに加えて綺麗な路面で重いギヤを一気に回し切るようなスプリント力がなければ前のパックに追いつけないと強く感じた。これまでしてきた周回練習もただ漠然と速いラップで走ることを目標にするだけでなく、途中にスプリントポイントを設けるなどして工夫していきたいと思う。

そしてこのレース後にコロナウイルスの影響で世界的に全レースがキャンセルとなり、これからのスケジュールは先が見通せない状況となってしまった。しかし次のレースは必ずやってくるわけであり、その時までに今より強い自分になっているという絶対にぶれない目標が今の自分にはあるので不安はない。

今回のレースで得た手応えと課題は、必ず自分の成長に繋がると信じています。
大変な状況の中でのチームとサプライヤーの理解とサポート、そして日本からの応援に感謝致します。いつもありがとうございます。

しばらくレースはありませんが、今の自分がやるべきことに集中して過ごして参ります。
皆様もどうか、健康には十分に気をつけてお過ごし下さい。

今後とも宜しくお願いします。

TEAM BRIDGESTONE Cycling
沢田 時

使用機材
バイク         ANCHOR XR9http://www.anchor-bikes.com/bikes/xr9.html
サスペンション  SR SUNTOUR AXON

コンポーネンツ   SHIMANO XTR  M9100シリーズ(http://www.shimano.co.jp
シューズ         SHIMANO  S-PHYRE XC9

ヘルメット                Kabuto フレアー スペシャル・チームカラー
グローブ     Kabuto  PRG-5(ブラックレッド)
                                   (https://www.ogkkabuto.co.jp)

ウエア        Wave One (http://www.wave-one.com)        
サングラス           OAKLEY 
         JawbreakerPRIZM ROAD
        
サプリメント     SAVAS(株式会社明治)(http://www.meiji.co.jp/sports/savas/
          レース中:ピットインエネルギージェル
                栄養ドリンク風味(カフェイン入り)
                                VAAM 
          レース後:リカバリーメーカーゼリー

メーター       Pioneer SGX CA-600 http://pioneer-cyclesports.com/jp/
ヘッドバンド   HALO (https://www.haloheadband.jp