大会名: キプロス サンシャインカップ 2016
開催日: 2016年2月25日~28日(全4ステージ)
開催場所: キプロス共和国 Afxentia
カテゴリー: SHC エリート男子
いよいよ2016年のMTBシーズンが始まった。
世界のトップライダー達がシーズン初めのレースとして数多く集まるサンシャインカップ。
特に今年はオリンピックイヤーということで、いち早くコンディションを上げるため例年以上に多くのライダーが集まっているようだ。僕としてもサンシャインカップはずっと出場してみたいレースの一つであったので、このキプロスでの遠征を非常に楽しみしていた。この冬もシクロクロスを中心としての活動であったが、これまで以上に良い冬を過ごせたという手応えがある。ただただシクロクロスを調子良く走れたというだけでなく、練習していても感じる自分は強くなれたという感覚。今シーズンを最高のものにするためにも、気持ち良く初戦を戦い抜きたい。4日間のステージレースというのも自分にとって初めての経験であるので、身体がどのぐらい疲労するのかも未知数。
【第1ステージ 個人TT
3.9km】 77位
4kmのTTというと短く聞こえるが、とてもハードなコースであった。街中をスタートするとまずはアスファルトの路面で山の頂上まで一気に駆け上がり、休む間もなく石に覆われた直線的なシングルトラックを超ハイスピードで駆け下りてくる。ラスト1kmは石畳や階段といった無数のトラップが隠れた狭い街中を走り抜ける。最初の上り坂の距離がかなり長いので、念入りにウォーミングアップをして臨んだ。走りの感覚は決して悪くなく、今持っているパワーをしっかりとペダルに伝えることはできた。日本のレースであれば今日は調子が良かったという感想だけで終わっていたレースかもしれない。この日の結果は100名ほどのライダーの中の77位。なによりたった4kmで世界のトップ選手とは1分半もの大差がついてしまうという現実に衝撃を受けた。頭では理解していたつもりであったサンシャインカップのレベルの高さを改めて思い知らされる結果となった。
【第2ステージ XCM
47.9km】 86位
ロードレースであれば50kmという距離はあっという間であるが、MTBでのオフロードでの50kmというのは普段のXCOレースの倍近くの距離であり、とてもハードなものである。しかも獲得標高は2000mを超える。というより選手の層がこれほど厚ければ、アスファルトの路面であってもキツい。最初はニュートラルスタートと聞いていたが、どの選手もシングルトラックに入る前にポジションを上げておきたいために、位置取り争いでぐんぐんとスピードが上がる。ニュートラルスタートの段階からずっとハイペースであるので、正式にいつレースが始まったのか分からないほどであった。ダート区間に入ってもずっと登り坂が続き、普段のXCOと違ってコースの全貌を知らないために、精神的にもひたすらキツい時間であった。山本幸平選手は自分の2つ前の集団で走っているのが見える。まずは前の集団に追いつければ、ゴールまでに合流できるかもしれない。約1時間の登りを耐えて、シングルトラックに突入。この下りはパンクが起きやすいと聞いていたので慎重に下りたかったが、どの選手も下りが速いので、そんな暇はない。前の選手を追いかける形で下っていると、後輪の空気が抜けていることに気付いた。落ち着いて修理し、再スタートするが5分も走らないうちに再び後輪をパンク。さすがに自分の下手さが嫌になったが、目標を完走に切り替えて走り切らなければ明日スタートすることもできない。最初の登りを良い位置でこなせていただけに悔いが残るが、その悔しさは明日以降にぶつければいい。86位でのゴールとなった。
【第3ステージ XCM
50.7km】 65位
昨日に引き続きマラソンレース。今日は最初の登りを良い位置でこなすことと、何よりもパンクさせないことが大事だ。最初の登りは自分のペースに合う集団に入れたことで快調に飛ばす。昨日以上に身体が動いていることを感じた。順位は50番手ほど。ひたすら続くシングルトラックの登りに心が折れそうになるが、何とか集団でレースを進めていく。ラスト10kmでパンクしていた幸平選手を追い抜くが、この辺りから身体が全く動かなくなってきた。深く息を吸い込むと咳き込んでしまう状態になってしまい、ペースが全く上がらない。最後に順位を落としてしまい65位でフィニッシュ。前半の登りはかなり良いペースで走れたので悔いが残らないレースはできたが、今日のような2時間を超えるレースでも余裕を持って戦えるようになれば、XCOでも一味違った走りができるようになるはず。まだまだ成長しなければならない。
【第4ステージ XCO 5.9km × 5 laps】 59位
いよいよ最終日のXCO。身体はもうボロボロで、ウォーミングアップでは全くスピードが上がらない。スタートすればどうにかなると信じるしかない状況。
実際に始まってみれば身体が全く動かないということはなかったが、やはり昨日のステージで呼吸器系が相当疲労しているようで、心拍数が上がってこない感覚。競いあう選手は沢山いるので、自分のギリギリのペースを保ってレースを進めていく。2周目の下りでバランスを崩した際に、立て直すために軽くついた足が攣りそうになって転倒してしまった。もうレース序盤から最終周回のように疲労している。転倒によって順位を落としたが、中盤にかけてペースを持ち直す。昨日までの疲労が蓄積していて身体の動きは渋いが、決して調子は悪くない。去年国内で走ったレースと比べれば、ずっと上の強度で走ることはできている。だからこそ、海外のレースであってももっと前の集団でレースを展開したい。自分の調子云々よりも、根本的な実力を上げていかなければ通用しない世界だと痛感した。59位でのフィニッシュとなった。
最終的な総合成績は61位。
40位以内に与えられるUCIポイントは獲得することができませんでした。
どのステージとも前半の登りは50位あたりの集団で良いペースで走ることができたが、その後の長いシングルトラックの下りで集団から離され、後半は登りでもパワーを発揮できずに失速して単独での走行となってしまう展開が多かった。マラソンレースのような2時間を超える強度にも耐えることができるようになれば、本業であるXCOレースにも必ず生きてくると思うので、パワーを持続させるための練習を多く取り入れていていく必要があると感じた。
今月はトルコで合宿を行いながらUCIレースにも参戦していく予定。過去最強の自分となって日本に帰国するために、1日1日を大切に過ごしていきます。
この遠征を支えて頂いているチームとスポンサー、ファンの皆様に感謝しています。
精一杯がんばり、2016年を最高のシーズンにします!
BRIDGESTONE ANCHOR CYCLING TEAM
沢田 時
使用機材
シューズ
SHIMANO SH-XC90
ヘルメット Kabuto ゼナード スペシャル・チームカラー
グローブ Kabuto PRG-3(レッド)
レジェフィットプロ
Jawbreaker(PRIZM ROAD)
レース前:ピットインエネルギージェル
栄養ドリンク風味(カフェイン入り)
レース中: SAVASスポーツウォーター
レース後:リカバリーメーカーゼリー
グラフィック
プルオーバータイプ(チームヘイロ)
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