大会名: UCI World Cup XCO3 Val di Sole
開催日: 2013/6/15
開催場所: イタリア・Val di Sole
カテゴリー: U23
リザルト: 56位(−1ラップ)
天 候: 晴れ
コースコンディション: ドライ
ワールドカップ第3戦がイタリアのVal di Soleで開催された。
前回のチェコでのワールドカップを不完全燃焼で終えてから、まだ3週間しかたっていない。
しかしここまでの3週間は、これから僕が自転車選手として競技を続けていく中で無くてはならない時期と言い切れるほど充実したものであった。毎日の練習を含め、食事、睡眠、身体のケアなど一日24時間全ての時間を自分が成長するために使ったと言い切れる。1秒も無駄にしていない自信がある。だからこそ3週間という短い時間ではあったが、あっという間に過ぎてしまったという感覚は全くない。レースが近づくにつれて気持ちが高揚していくのも感じていた。また僕にとってイタリアは初めて訪れる国でもあり、とてもワクワクしながら会場に入った。
Val di Soleはイタリア語で「太陽の谷」を意味するらしく、その名の通りコース上は常に強烈な日差しが照りつけていた。2日間のコース試走で感じた印象としては、登りの斜度がキツい上に長さもそれなりにあり、脚を休められるような下りが一切ないということ。他のワールドカップコースと比べればテクニカルとは言えないと思うが、レース中は過酷な登りで体力を削られているので、思わぬミスが転倒に繋がるコースだと感じた。
アンダー23クラスは16時半のスタート。僕がこれまで経験してきたレースの中で最も遅いスタート時間だ。とはいっても最近のヨーロッパは22時まで日が沈まないので、この時間であっても太陽は激しく照りつけてくる。熱中症に気をつけてアップは短めに終わらせて、スタート時間まで氷入りのタオルで身体を冷やすようにした。身体はもちろん、精神的にも集中出来ているのを感じながら3列目に並んでスタートを待つ。
そしてスタート。ワールドカップでは後列に並んでいてもピストルの音がしてから集団が動き出すまでの時間がとても短い。それだけ全ての選手がスタートに懸けているということだ。
順調にペダルをはめて集団の流れにのることが出来た。1kmほどのスタートループは30番手程で通過。スタートは成功したと言っていい。本コースに入ると斜度が急なコーナーでは渋滞が起きてバイクを押す選手が多かったが、自分はなんとかバランスをとって一度も脚を付かずに渋滞をクリア出来た。そしてコース中盤の最もキツい登りに入る。ここまで無駄な体力を使っておらず調子もいいので、得意の登りを使って更に順位をあげていけるはずだった。しかしそれは去年のジュニアでのレースの話。アンダー23クラスでは選手達の登りでのスピードが全く違う。始めの登り区間はなんとかこらえていたが、自分にとってはオーバーペースといえる登り方ですぐに息も上がりきり、脚もいっぱいいっぱいの状態に。そこからは登りに入る度に順位を落としていってしまう。特に登り始めのダンシングの時にパワー負けしているのを感じる。多くの選手は下りで出たスピードを生かして勢い良くダンシングで登り始めるが、この走り方に自分は対応できていないように感じた。
2周目を通過した時に43番手。まだ目の前にたくさんの選手が見えており、自分に力さえ残っていればUCIポイント獲得圏内の25位以内も十分可能な位置だ。
そう…僕に力さえあれば。悔しいがもう全く余裕はなかった。心拍数はレース開始からずっと最大値付近を示している。レース開始からまだ30分もたっていないことが信じられない。こんなにも苦しいレースは初めてだ。
アンダー23クラスは数名のパックになってレースを進めていることが多く、このパックについて行けないと抜かれる度に一気に順位を落とすことになる。登りに入る度に少しずつ後退していくが、前回と違いモチベーションは切れていない。ここまで出来る限りの準備をしてきたのだから、今日も自分に出来る限りの走りをしようと思った。
レース中ずっと苦しみながらも3週間前の自分とは明らかに変わってきている部分、成長している部分があることも感じていた。早くその部分を僕のことを応援してくれている人にも分かるように結果で示したい。でもそのためには、まだ努力の時間が足りていない。このレースが終わっても、もっともっと苦しんで頑張らないといけない…。
レース中にそんな想いが頭をよぎった。
そしてラスト1周を前にして先頭の選手を先導するバイクに追い付かれる。80%ルールのためファイナルラップに入れず、レースを走りきることが出来なかった。
厳しい結果ではあることは間違いないのだが、前回のワールドカップから前進していることは間違いないと感じたレースでもあった。アンダー23クラスのレベルの高さを肌で感じることが出来た。ようやくスタートラインに立てたと感じている。
3週間でここまで来られたのだから、これからも一歩一歩前に進んでいきたい。僕は早く世界に通用していると言われるような結果をこのワールドカップの舞台で残せるようになりたい。そのためには当たり前のことであるが、本当に地味で辛いことを積み上げていかなければならないとも感じている。
だがその覚悟はできている。自分に期待している自分がいることを感じているし、この気持ちを大事にして成長して行こうと思います。
これからも応援の程、宜しくお願い致します。
BRIDGESTONE ANCHOR CYCLING TEAM
沢田 時
使用機材
バイク
ANCHOR プロトタイプ
コンポーネンツ SHIMANO XTR
ホイール
SHIMANO XTR
ハンドル
SHIMANO PRO シマノプロ
ステム
SHIMANO PRO シマノプロ
シートポスト
SHIMANO PRO シマノプロ
シューズ
SHIMANO SH-M315E
フォーク
SR SUNTOUR AXON 100mm(サンツアー)
ヘルメット KABUTO(OGK)レジモス スペシャル・チームカラー
グローブ KABUTO(OGK)PRG-1
ウエア Wave One 半袖ワンピース
サングラス OAKLEY Racing
Jacket
サプリメント
SAVAS(株式会社明治)
ピット イン リキッド・ SAVASスポーツウォーター・パワーアミノ2500。
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