2017年8月16日水曜日

Windham Pro XCT(UCI High-Class):レースレポート


大会名:           Windham Pro XCTUCI High-Class
開催日:   2017812
開催場所:  アメリカ・Windham
カテゴリー: UCI High-Class エリート男子
リザルト:       16
天 候:   晴れ
コースコンディション: ドライ&一部ウェット

カナダでのワールドカップから中5日で迎えた今レース。
アメリカでの国内シリーズ戦となるレースで、UCIクラスはワールドカップに次いで高いHigh-Classに設定されている。25位以内にUCIポイントが与えられる上に、先週のワールドカップよりも選手の数と力量はかなり下がるため、ポイント獲得のために非常に大事になってくるレース。ワールドカップではポイントは獲得できたが、内容としてはまともに競り合うレースすらできなかったので、アメリカでは北米遠征の締めくくりとして結果と内容ともに充実したレースをしたいという強い意気込みで臨んだ。

コースは過去にワールドカップで2度走ったことがあって経験済み。前半はひたすら長いジープ道の登りと難易度は高くないが体力は削られるような短いシングルトラックが続き、後半は山頂から一気に駆け下りてくるハイスピードで長いダウンヒルが続く。ダウンヒル区間にはロックセクションも含まれており、突入スピードが速いためにバイクが暴れやすい。繊細なバイクコントロール技術というよりは豪快に突っ込む度胸が必要なコース。一気に登って一気に下ってくるコースであるため、登りか下りのどちらかのスピードが劣っているとラップタイムが上がらない難しいレイアウト。

今回は時差ぼけも完全に取れていたので、レース3日前にはナショナルチームのメンバーと一緒にかなり追い込んだメニューで身体に刺激を入れることができた。スタートは2列目と好位置に並ぶことができたため、ポイント獲得のために前半から飛ばしていくイメージを高めていく。

スタートループ+5周回のレースが定刻通り12時半にスタート。今シーズンは特に不調が続いているスタートであったが、今回はかなり良いスタートを切ることができた。先頭パックの後ろに付け、トップ10付近でスタートループをこなしていく。登りが長いコースということもあって優勝候補の選手が出だしは若干牽制しているようで、集団は比較的落ち着いたスピードで登りをこなしていく。自分もレースの流れに乗れたことで良いペースで走れているが、登り途中にあるシングルトラックやコーナーの立ち上がりでの加速に付いて行けずに先頭からは離されてしまった。それでもまだ10番台前半の位置に付けることができているので、今日はかなり調子が良い。下りのロックセクションでは石が滑ることを警戒して減速し過ぎたことでタイムをロスしてしまう。そしてここで開いた前走者との差を詰めるためにスピードを上げてバイクの動きが雑になったことで機材トラブルを起こしてしまった。20秒ほどロスして順位は20番手ほどに下げ、非常に勿体無いことをしてしまう。しかし前走者との差は見えやすいコースであったこともあり気持ちが切れることはなく、すぐに順位を取り戻していく。

特に登りの調子が良くて、集中して力を発揮できていた。下りをもっと思い切り攻められれば更なるポジションアップが可能であったが、滑りやすいロックセクションでのバイクコントロールがうまくいかず、最後までスピードを上げることができなかった。下りを得意としている選手の中には登りはイーブンペースで走って体力を温存し、下り区間で思い切り攻めてタイムを縮ませてくるような走り方の選手も多かった。そのために日本のレースとは全く違った勝負展開になっていくことが面白く、とても刺激を受けた。こういった走り方を身につけていくには、普段からXCOコースでの練習だけでなく、常設されたDHコースのようなところで下りに特化した練習をしていく必要を感じた。長い下りを速く走るには登りとはまた違った体力や集中力が必要になってくる。日本に帰ってから早速取り入れていきたい。

最終周回まで少しずつ順位を上げていき、16位でフィニッシュ。
UCIポイントを10P獲得することができた。

今持っている力を全て出し切り、満足のいくレース内容であった。特に最近不調が続いていたスタートを上手く決められたことが嬉しい。レースの3日前にしっかりと追い込めたことが今回の結果に繋がったと思うので、これからのシーズン後半戦も同じルーティンで進めていくようにしたいと思う。

今回の北米遠征は自分にとって非常に価値のあるものとなりました。
これからの毎日を少しずつ確実に成長する日々とできるようにしていきたいと思います。
この遠征の機会を与えて下さったチームとスポンサー様、そして応援いただいた方々に感謝しています。本当にありがとうございました。

次戦のレースまで一ヶ月ほど開くので、しっかりとトレーニングを重ねてシーズン後半戦に向けて準備していきたいと思います。

今後とも宜しくお願い致します。

BRIDGESTONE ANCHOR CYCLING TEAM
沢田 時

使用機材
バイク       ANCHOR XR9http://www.anchor-bikes.com

コンポーネンツ   SHIMANO XTR Di2 M9050シリーズ (http://www.shimano.co.jp
シューズ       SHIMANO  S-PHYRE XC9

ヘルメット                Kabuto ゼナード スペシャル・チームカラー
グローブ     Kabuto  PRG-5(レッド)
                                       (https://www.ogkkabuto.co.jp)

ウエア        Wave One (http://www.wave-one.com
         Legge Fit Pro
         
サングラス        OAKLEY (http://jp.oakley.com
         JawbreakerPRIZM ROAD
        
サプリメント     SAVAS(株式会社明治)(http://www.meiji.co.jp/sports/savas/
          レース前:ピットインエネルギージェル
                栄養ドリンク風味(カフェイン入り)
                            レース中:SAVAS VAAM 
          レース後:リカバリーメーカーゼリー

ヘッドバンド   HALO (https://www.haloheadband.jp
         グラフィック プルオーバータイプ(ポルカドットブラック)


UCI MTB WorldCup #5 Mont-Sainte-Annne:レースレポート

大会名:            UCI MTB WorldCup 第5戦 Mont-Sainte-Annne
開催日:   201786
開催場所:  カナダ・Mont-Sainte-Annne
カテゴリー: エリート男子
リザルト:        58位(−2ラップ)
天 候:   曇り
コースコンディション:ドライ

全日本選手権から2週間。
ずっと目標にしてきたレースを惨敗で終えてしまったことへの喪失感は大きかったが、今の自分は日本で4番という現実を受け入れ、弱いからこそ早急に進化していかなければならないと感じている。僕を信じて応援してくれた方々の期待を裏切ってしまったことは本当に悔しい。この先、今よりもっともっと強くなってレースの走りで強い自分を表現していかなければ、この悔しさは晴らすことはできない。気持ちの面でも新たなスタートを切った今、ワールドカップという世界最高峰の舞台で走れる環境を頂けたことには本当に感謝の気持ちしかありません。この北米遠征を必ず実りあるものにしたいと思います。

ワールドカップに参戦するのは2年ぶり、エリートクラスでは初めての挑戦。各国の参加人数に制限がないために、ある意味で世界選手権よりも層が厚くて世界一レベルの高いレースであることは間違いない。世界のレースで揉まれて経験値を高めることも遠征の重要な目的ではあるが、それ以上に初めてのワールドカップで同一周回での完走という最低限の結果を残すことが今回の目標であった。

モンサンタンのコースは20年以上前からワールドカップが開催されている歴史あるサーキットであり、自然の地形を生かした非常にテクニカルなコースとして知られている。4日間かけて試走を繰り返し、コースの攻略に取り組んだ。ロックセクションが非常に多いのが特徴で、岩を避けるライン取りを探すのではなく、岩の上での最速ラインを探していくといった感じである。

世界のトップ選手たちも同様に難セクションで試走しているので、彼らのラインを盗めば最速ラインを見つけることは簡単であるが、同じスピードで走ろうとすると途端にバイク操作が追いつかずに危なかっしい走りになってしまう。試走を繰り返していくうちにある程度ミスなくスムースに走れるようにはなったが、周りのエリート選手と比較してのスピード不足は否めなかった。

さらにレース前日は雨が降ったことで、岩の上はまるで凍った路面のように滑りやすくなって全く思い通りに走ることができなくなってしまった。自分のバイクコントロール技術では恐怖心が先走って身体が思うように動いてくれない。大きな落車をしてダメージを残すことはしたくなかったので、前日の試走は最低限にとどめた。幸いレース当日は晴れて路面はドライコンディションに戻ったために問題なく走れたが、あのスリッピーすぎる路面コンディションでレースをしていたらと思うと本当にゾッとする。

そして迎えたレース当日。バイクはいつものように小林監督に完璧に整備して頂いたことで最高の状態。レースに必要な機材物資は海外のレースに来ても何も不足は無い状態で、スポンサー様には感謝の言葉しかありません。肝心の身体の方も時差ぼけも取れて脚は軽く、かなり良い状態でレースに臨むことができた。今日がいつもの国内のレースであれば、余裕を持ったレース運びができそうだと感じた。しかしワールドカップに臨む以上は必ず自分の限界を超えるほど苦しい場面が訪れ、むしろそこからレースが始まると言っていい。いつも以上にウォーミングアップは念入りにしてスタートラインに並んだ。

そしてスタート。並んでいた位置が既に最後尾付近であったので出遅れることはないが、ポジションを上げることもできずにスタートループを走る。登りではコースいっぱいに選手が広がっていて隙間がなく、下りのスピードも相当速い。前の選手を一人抜くのには登坂力というよりもスプリント力が必要だと感じた。渋滞してバイクを押す時間もありながら、いつものレースよりずっと速いスピードで進んで行く。1周目を終えて50番台後半の位置。スタートからポジションを上げられていない。追い込んでいきたい場面であるのに、身体は酸欠状態で脚に力が伝わっていかない。調子が悪いのではない。いつものレースでは休んで楽をしている場面でもずっと踏む続けたことで、余裕が無くなっているだけだった。いかに普段の国内での走り方が甘かったかを思い知った。後方に数名の選手はいるものの、ほぼ最後尾の位置。登りで前を走る数名のパックに追いつけず、下りで更に離されてしまうということを繰り返す。だんだんと単独での走行が多くなってしまう。今思えば2周目以降にいかに良いパックに入って集団で走行できるかが完走できるかできないかの別れ道であったと思う。あまりにも弱く、レースをできていない自分に腹が立った。初めてのエリートでのワールドカップは−2ラップという結果に終わってしまった。

単純なパワー数値で言えば今シーズンのレースの中で最も高い数値が出ていた。自分自身の調子で言えば決して悪くはなく追い込めたレースではあったのだが、全く実力が足りていない。この舞台での完走が当たり前というレベルに早く達したい。そのレベルにあるのが日本では幸平さんだけであり、全日本で全く力が及ばなかった理由がよくわかって、ある意味すっきりした気持ちでもある。やらなければいけないこと、試さなければいけないことは沢山あって、一つずつ潰していかなければいけない。全日本での喪失感など感じている暇はないことも身に染みてわかった。

まずは今週末のアメリカ・Windhamのレースで今の想いをぶつけていきたい。ワールドカップほどのメンバーは揃っていないが、UCIハイクラスのレースとなるために同様にとてもハイレベルなレースとなる。モンサンタンではできなかった2周目から集団でレースを展開していくこと、そして25位以内に与えられるUCIポイントを獲得することを目標に走ります。

この北米遠征を必ず実りあるものにして日本に帰りたいと思います。
応援のほど宜しくお願い致します。

BRIDGESTONE ANCHOR CYCLING TEAM
沢田 時

使用機材
バイク       ANCHOR XR9http://www.anchor-bikes.com

コンポーネンツ   SHIMANO XTR Di2 M9050シリーズ (http://www.shimano.co.jp
シューズ         SHIMANO  S-PHYRE XC9

ヘルメット                Kabuto ゼナード スペシャル・チームカラー
グローブ     Kabuto  PRG-5(レッド)
                                         (https://www.ogkkabuto.co.jp)

ウエア        Wave One (http://www.wave-one.com
         Legge Fit Pro
         
サングラス        OAKLEY (http://jp.oakley.com
         EVzeroPRIZM TRAIL
        
サプリメント     SAVAS(株式会社明治)(http://www.meiji.co.jp/sports/savas/
          レース前:ピットインエネルギージェル
                栄養ドリンク風味(カフェイン入り)
                            レース中:SAVAS VAAM 
          レース後:リカバリーメーカーゼリー

ヘッドバンド   HALO (https://www.haloheadband.jp
         グラフィック プルオーバータイプ(ポルカドットブラック)