2014年9月16日火曜日

ポルトガルカップ:レースレポート

大会名:         International C1 XCO CUP OLIVEIRA DE AZEMEIS
開催日:   2014914
開催場所:  ポルトガル・OLIVEIRA DE AZEMEIS
カテゴリー: U23(エリートと混合)
リザルト:        12位(U23では4位)
天 候:   雨
コースコンディション: ドライ→ウェット

今シーズンのヨーロッパ遠征最後となるポルトガルカップに参戦。
世界選手権を終えて約一週間。短い期間ではあったがレース後の身体の回復も早かったため、世界選手権で感じた自分の弱い部分、これから最も強化していかなければならないと感じている領域の練習を早速行なうことで身体にしっかりとした刺激を入れることが出来た。自分の走りを変えていきたいという想いを、早速行動に移せた一週間であった。

今回のコースは世界戦とは違って一周の高低差がかなり小さく、下りのスピードを生かして踏み込むような短い登り返しや、コーナーからの立ち上がりで脚を使う場面が多く、瞬発的なダッシュを何度も繰り返す体力が必要なシクロクロスのようなコースであった。ドロップオフなど人工的なセクションもいくつかあったが、ワールドカップの激しいコースに慣れたおかげで今回のコースではテクニック部分に不安は感じず、自分の得意なところで思いっきり追い込んでいこうと考えていた。

スタートは一列目の左端。今回はUCIカテゴリー1のレースということで、ポイント取るために普段のポルトガルカップでは見かけない選手も多く参戦していた。いつもよりレベルの高いレースになることは間違いない。15位以内に入ればポイントが付くため、最初からトップ10の位置でレースを進めていきたいと考えていた。

そしてスタート。しっかりとギヤを回し切ってからシフトアップしていくことを意識する。2列目の選手に何人か抜かれてしまったが、いつものスタートより上手くスピードをのせられた感覚があった。先頭集団のペースはとても速く、短い登りを数回こなしただけで、どんどんと差が広がってしまう。悔しいが今の自分には付いていけないペース。トップ10圏内である第2集団でレースを展開することを目標にして前を追いかけるが、この集団ともなかなか差が詰まらない。登りの距離が短いため、短いインターバルが延々と続いて、とてもハード。遠くない位置に見えている前の選手を追いかけながら16位の位置で一周目を通過する。

身体の動きは良く、前の2人の選手に追い付いて14位となった。そのまま3人パックでレースを進めていく。競い合いながらペースを上げていき、13番手の選手にも追い付いた。他の選手は振り切ったが、この選手がなかなか離れない。ぴったりと付いてくる。そして土砂降りの雨も降り始め、乾き切っていたコースが滑り易くなってきた。あらかじめ空気圧を低めに設定していたため、自分にとっては有利なコンディション。最もキツい登り区間でついに後ろの選手との差を広げ、単独13番手で最終周回に入った。

天候の影響でレース時間が長くなることを予想して、いつもより補給を多く取るようにしていたため、最終周回でも最後の力を振り絞ることができた。登りでペースを落としていた選手をラスト1kmで追い抜い抜き12位でゴールとなり、UCIポイントを6ポイント獲得することができた。

コースのコンディションが毎周回変わる中で競い合ったことで、まるでシクロクロスを2時間走ったかのようにハードなレースであった。
理想を言えば最初の周回でトップ10に入りたがったが、今の自分の力は全て出し切れた満足感がある。これから更に自分の走りを変えていくための、きっかけとなるようなレースだったと思う。

今回のレースでは技術的な部分でコースに対する不安が無かったため、レースを上手く組み立てながら最終周回まで自分の力を出し尽くすレースをすることができた。しかしワールドカップではコース上に自分が苦手としているセクションが必ず存在しているために、所々で消極的な走りになってしまっていることが多く、なかなか今回のレースのような積極的な勝負ができていないことを改めて感じた。ワールドカップのコースが自分にとって標準的なコース、最も実力が発揮し易いコースになるように、自分に何が必要なのかをよく考えて、練習での課題克服に努めていきたいと思う。

そして今季のヨーロッパ遠征を終え、いよいよ日本に帰国します。
次の目標である今月末のアジア大会を最高のパフォーマンスで走れるように、しっかりと準備をすすめていきます。
これからも応援の程、宜しくお願い致します。

BRIDGESTONE ANCHOR CYCLING TEAM
沢田 時

使用機材
バイク       ANCHOR XR9

コンポーネンツ     SHIMANO XTR
ハンドル     SHIMANO  PRO
ステム                        SHIMANO  PRO
ペダル      SHIMANO XTR
シューズ           SHIMANO  SH-XC90

ヘルメット                Kabuto ゼナード スペシャル・チームカラー
グローブ     Kabuto  PRG-3(レッド)

ウエア        Wave One レジェフィット

サングラス            OAKLEY Racing Jacket
         レンズ positive red

サプリメント     SAVAS(株式会社明治)
                                     レース中:SAVASスポーツウォーター 
               ピットインリキッド
          レース後:リカバリーメーカーゼリー


2014年9月12日金曜日

2014 UCI MTB世界選手権:レースレポート

大会名:           2014 UCI MTB世界選手権
開催日:   201495
開催場所:  ノルウェー・Hafjell
カテゴリー: U23
リザルト:        60位(−1ラップ)
天 候:   晴れ
コースコンディション: ドライ

2014年の世界選手権の日を迎えた。
全日本を終えてからは常にこの世界戦のことだけを考えて、練習を進めてきた。自分に何が足りないのかを考え、調子が良いときも悪いときも自分を見失わずに前に進むことができたと思う。それも僕を支えて下さる沢山の方々の応援とサポートがあったから。それを感じていたからこそ、この世界戦では自分史上最高の走り、そして最高の結果を残したいと考えていた。身体の調子は良く、レースの2日前に行なわれたチームリレー競技でも良い感覚を得ることができていた。

コースは昨年のワールドカップで経験しているため、落ち着いて対応していくことが出来た。
レースまでの5日間の試走では日本チームのほぼ全員が一度はパンクを経験するほど、コース上には尖った石が多い。自分も試走で一回パンクし、また去年同じコースで行なわれたワールドカップではレース中に二度もパンクしているため、いつも以上に空気圧やライン取りには気を使った。

前半に登りが集中していて、テクニカルな登りセクションやジャンプセクションもこなしながらコース最上部まで登っていき、そこから一気に下ってくるレイアウト。下りは派手なセクションはあまりないが、ハイスピードなコーナーが多いため、技術の差も出易いコースだと感じた。世界では標準的なパワーもテクニックも必要なコース。機材トラブルを起こさないこと、常に冷静さを残してレースを進めていくことを心がけて、レースに挑んだ。

スタートは4列目あたり。緩い下り坂でスピードが出るため、最初の右コーナーが予想以上に詰まり、思わぬところで失速してしまった。シングルトラックに入る前になんとしても前に出たがったが、登りで後ろの選手に突っ込まれてしまいバイクから降りてしまう。このミスでスタートポジションから順位を下げてしまった。とにかくどの選手も前に上がろうとしているために、ぶつかり合いが凄い。渋滞を切り抜けるが、1周目は順位を上げていけずに苦しい走りが続く。70番手後半の位置で1周目を通過。前回のワールドカップではここからさらに失速してしまったが、2周目に入ってエンジンも掛かり始め、少しずつ前の選手をかわしていく。
テクニカルセクションでもミスが無く集中できていて、周りの選手と競い合いながらレースができているという感覚がある。これまでワールドカップのヨーロッパラウンドでは抜かれてばかりで、まともなレースさえできなかった。その時の自分から進化している感覚が今日はある。だが自分がやってきたことはこんなものじゃない、もっと前で戦いたいという気持ちでペダルを踏み込む。コース前半の登りで前の選手との差を詰めるが、後半の下りで再び差を広げられてしまうといった展開が続く。この一年でかなり下りに対する苦手意識は無くなったが、まだまだ自分の技術不足を感じた。しかし登りでは苦しいながらも毎周回前の選手を追い抜くことができ、単独走で終わってしまった去年の世界選手権から比べると、しっかりと戦えているという感覚がある。

60番手の位置でラスト2周に入る。トップとのタイム差は8分半ほどで、ぎりぎり最終周回に入れるかどうかといったところ。まだ前に見えている選手を目標に、全力を振り絞る。
そうすると前にはアメリカチャンピオンの姿が見えてきた。ワールドカップ最終戦では4位に入った選手だが、今日は調整が上手くいかなかったのだろう。自分と同い年の選手でもあるので、絶対に追い付きたい。もっとレースをしていたいという気持ちが溢れてくる。
しかし、またしても届かなかった。ラスト1周を前にして80%カットになってしまった。

去年からのワールドカップや世界戦も含め、今までのレースでは1番良い走りができていたとは思う。それでも完走することができなかった。54位までの選手が最終周回に入ったので、本当にあと少しのところであったが届かなかった。悔しい。スタートであと10番でも前にいけていたら、あるいは違った結果を残せたかもしれない。色々な思いがあるが、全ては言い訳でしかない。

この世界戦に向けて自分は強くなることは出来た。それは間違いない。それでも結果を残せないのは、周りの選手も同じように強くなっていて、自分の努力はまだまだ甘かったということだと思う。もう一度強い覚悟を持って、自分を成長させていきたいと思う。

来年の世界戦では20番台に入ることを目標にしたい。完走もできていない選手が言うには大き過ぎる目標と言われるかもしれない。だが自分にとって20番台というのは不可能なことではないと断言できる。世界のトップ選手になることは夢ではなく目標。今の自分に必要なこと、やらなければいけないことは本当に多いが、目標を達成するためにしっかりとやり遂げたいと思う。来年の世界戦では20番台でのフィニッシュ。必ず実現してみせます。

今シーズンの主要なレースは残り3戦。月末のアジア大会と10月のJシリーズです。
ヨーロッパで得たもの、感じたことを日本のレースで思いっきり発揮したいと思います。
今僕が感じていることをレースで表現したいです。

世界戦では沢山の激励を頂き、本当にありがとうございました。
これからも応援の程、宜しくお願い致します。

BRIDGESTONE ANCHOR CYCLING TEAM
沢田 時

使用機材
バイク       ANCHOR XR9

コンポーネンツ     SHIMANO XTR
ハンドル     SHIMANO  PRO
ステム               SHIMANO  PRO
ペダル      SHIMANO XTR
シューズ           SHIMANO  SH-XC90

ヘルメット                Kabuto ゼナード スペシャル・チームカラー
グローブ     Kabuto  PRG-3(レッド)

ウエア        Wave One レジェフィット

サングラス        OAKLEY Racing Jacket
         レンズ positive red

サプリメント     SAVAS(株式会社明治)
                                     レース中:SAVASスポーツウォーター 
               ピットインリキッド
          レース後:リカバリーメーカーゼリー