2017年12月18日月曜日

第23回全日本シクロクロス選手権大会:レースレポート


大会名:         23回全日本シクロクロス選手権大会
開催日:   20171210
開催場所:  長野県南牧村 滝沢牧場
カテゴリー: エリート男子
リザルト:       4位
天 候:   晴れ
コースコンディション: ドライ&マッド

いよいよ迎えた全日本シクロクロス選手権。そして2017年のラストレース。
優勝した去年からもう一年が経ったのかと思うと、本当にあっという間であった。

去年は7月に骨折したことで一度強制的にオフを取り、そこから2ヶ月かけて十分にトレーニングを積んでから9月にレースに復帰。12月の全日本まで絶好調の時期が続いた。MTBが本業の自分にとって毎年ピークを合わせるのはMTBシーズンであるので、去年はかなり特殊なパターンだったと言える。今年勝つことは去年よりも難しいことは間違いない。だからこそやり甲斐を感じていたし、今シーズンのシクロクロスはこの全日本までと決めているので、最高のレースで2017年を締めくくりたいと思っていた。

コースは2週間前の野辺山でのUCIレースと比べるとコース最上部の登り区間が増えて、よりパワーが必要なコースになった。向かい風が強いアスファルトの登り区間も分割されたことで、先頭に立つことを躊躇うセクションは一切無くなり、力があるほど勝ち易いコースである。当日の路面コンディションはバイク交換が必要ないくらいの浅い泥区間と、気温の低下によって凍ってきている箇所も混在している難しいコンディション。泥は深くないがコーナーでは滑りやすい。タイヤはチャレンジのBABY LIMSを選択した。空気圧は1.6bar。タイヤが埋まってしまうくらいの深い泥であればLIMSを選択したと思うが、勝負所の登り区間は完全にドライコンディションであったことを考えると、より路面抵抗の少ないBABY LIMSがベストであったと思う。

スタートは最初のコーナーを4〜5番手あたりで抜け、その後のアスファルトの登りで小坂選手と前田選手に次ぐ3番手に上がる。2週間前の野辺山でのUCIレースよりも、確実に身体の反応は良く、レースができる状態に仕上がっていることを感じた。コース最上部の登りで先頭に上がるが、すぐに小坂選手に抜き返される。小坂選手の調子が良さそうであることはすぐに分かった。

小坂選手、前田選手、横山選手と自分の4人のパックになって2周目へ。前田選手と小坂選手が積極的にペースを上げ、なんとか食らい付く形。3周目の登り区間で5秒ほど離されてしまう。この微妙な差を詰められないまま4周目へ。横山選手のアスファルト区間でペースアップにも付いていけず、単独4番手に。自分の中では踏めているのだが、上位の3選手はそれより速いペースで周回を重ねていく。後ろに竹之内選手が迫っていることを感じたが、ここでペースを落ち着かせてしまったら終わりだと思い、前だけを見て集中し
ていた。先頭集団から遅れた前田選手に追いついて抜き返し、3番手でファイナルラップへ。レース中盤に置いて行かれた登りで再び前田選手がアタックをかけてくるが、なんとか食らい付く。コーナーのイン側を突いて前に出て、ゴールを目指して攻め続ける。スプリント勝負には自信がなかったので何とか林間セクションで差を広げたかったが決まらない。最終コーナーを立ち上がり、全力で追い込んだが、後ろから捲られてしまい4位となった。

レース展開に対して後悔は何もない。最後の3位争いのような本気な競り合いを優勝争いでできたら最高であったが、そのためには力が及ばなかった。今シーズン一番の走りはできたと思うが、自分史上最強ではなかったから勝てなかったのだと思う。2018年はこの悔しさをモチベーションに変えて成長していくシーズンにし、今よりも、そして去年よりも強い自分になりたいと思います。

全日本タイトルは失ってしまったが、ここまで積み上げてきたものが崩れたわけではなく、この冬もたくさん成長することができました。今年も日本一に挑戦できて本当に良かったです。

たくさんのサポート、そしてレース中の応援、本当にありがとうございました。こんなに早くシクロクロスシーズンを終えるのは寂しくもありますが、必ずもっと強くなって帰ってきます。

2017年、本当にありがとうございました。

BRIDGESTONE ANCHOR CYCLING TEAM
沢田 時

写真は春日部写真店さんより頂きました。
いつもありがとうございます!

使用機材
バイク       ANCHOR CX6http://www.anchor-bikes.com


コンポーネンツ   SHIMANO XTR Di2 M9050シリーズ (http://www.shimano.co.jp
シューズ         SHIMANO  S-PHYRE XC9

ヘルメット                Kabuto ゼナード スペシャル・チームカラー
グローブ     Kabuto  SFG-1(ブラックレッド)
                                       (https://www.ogkkabuto.co.jp)

ウエア        Wave One (http://www.wave-one.com
         クロススーツ
         
サングラス        OAKLEY (http://jp.oakley.com
         JawbreakerPRIZM ROAD

タイヤ      Challenge TEAM EDITIONシリーズ
         BABY LIMUS 33mm 1.6bar
        
サプリメント     SAVAS(株式会社明治)(http://www.meiji.co.jp/sports/savas/
          レース前:ピットインエネルギージェル
                栄養ドリンク風味(カフェイン入り)
                                 SAVASスポーツウォーター 
          レース後:リカバリーメーカーゼリー

ヘッドバンド   HALO (https://www.haloheadband.jp
         グラフィック プルオーバータイプ(ポルカドットブラック)


2017年11月16日木曜日

JCX#5 飯山大会:レースレポート


大会名:         JCX#5 飯山大会
開催日:   20171112
開催場所:  長野県 飯山市 長峰運動公園
カテゴリー: C1
リザルト:       優勝
天 候:   曇り
コースコンディション: マッド

3位で終えた幕張でのスターライトクロスから一週間。
ニューバイクで走った開幕戦はいまいち噛み合わないレースとなってしまったので、そこで感じた課題を克服するために早めに飯山に入った。
小林監督に練習の様子を見ていただきながら、ポジションの微調整やスタートダッシュの練習を行なう。3日間かけて入念にレースコースも走り込み、ドライからマッドコンディションへと変化していく路面に合わせてタイヤのテストも行なう。今季から使用させていただくこととなったチャレンジタイヤは低圧にセッティングしても路面の転がりが軽く、大きな武器になる。レース当日はかなり重たい泥の路面となったためLIMSを選択し、空気圧は1.6barに設定した。

一列目からスタート。最初のキャンバーセクションの泥がかなり深くてミスが出易いため、絶対に出遅れるわけにはいかない。3番手でキャンバーセクションに突入し、早めにランニングに切り替えて2番手に上がる。キャンバー区間を抜けると早くも弱虫ペダルの前田選手と共に集団から抜け出すことができた。


彼とのマッチレースになることを覚悟しながら、レースを進めていく。スタート前のウォームアップが足りていなっかたのか脚の血行が悪く、本来なら得意なはずのランニング区間で脚が重く感じる。泥の水しぶきを浴び続けているので、なかなか身体も温まってこない。雨上がりで重くなった泥の影響で林の中のセクションは殆ど乗車することができず、重い足をなんとか動かしながらバイクを担いで走り続ける。1周目を終えて完全に前田選手と抜け出した状況。テクニカル区間でミスをして離れてしまうと追いつくための脚がないと感じたので、先頭に立ってレースを進めていく。前田選手がミスをしたことで一時的に10秒ほどの差が開いたが、このタイム差を使って逃げ切ろうとするのではなく、追いつかれてもいいので体力を回復させることを優先させた。3周目に前田選手に追いつかれたが、自分も前半に比べると脚が動くようになってきている。ピットで早めにバイクを交換し、泥が付いていない軽い状態のバイクで走るようにしたことで体力も温存できた。


そして4周目、前田選手に機材トラブルが起きたのか一気に差が開いた。1分ほどのリードを保ってラスト2周に入る。粘土質の泥は機材トラブルの可能性がかなり高くなるので、独走状態になってからも頻繁にバイクを交換するようにした。そして無事にトラブルなく逃げ切り、優勝することができた。


今回のレースはとにかく冷静に走り続けられたことが勝利に繋がりました。2年前の飯山での全日本選手権も同じようなコースコンディションであったので、その時に勝てた状況を思い出してレースを進めました。早めにバイクを交換することと、深い泥のセクションには先頭で入ることを徹底して行なったのが良かったと思います。

次戦のマキノでも優勝できるように、頑張りたいと思います。
たくさんの応援、サポートありがとうございました!

BRIDGESTONE ANCHOR CYCLING TEAM
沢田 時

写真は春日部写真店さんより頂きました。
いつもありがとうございます!

使用機材
バイク       ANCHOR CX6http://www.anchor-bikes.com

コンポーネンツ   SHIMANO DURA-ACE 9000シリーズ (http://www.shimano.co.jp
シューズ         SHIMANO  S-PHYRE XC9

タイヤ      Challenge LIMS 33mm1.6bar

ヘルメット                Kabuto ゼナード日本チャンピオンカラー
グローブ     Kabuto  SFG-1(ブラック)
                                     (https://www.ogkkabuto.co.jp)

ウエア        Wave One (http://www.wave-one.com
         クロススーツ
         
サングラス        OAKLEY (http://jp.oakley.com
         JawbreakerPRIZM ROAD
        
サプリメント     SAVAS(株式会社明治)(http://www.meiji.co.jp/sports/savas/
          レース前:ピットインエネルギージェル
                栄養ドリンク風味(カフェイン入り)
                                                VAAM
          レース後:リカバリーメーカーゼリー

ヘッドバンド   HALO (https://www.haloheadband.jp
         グラフィック プルオーバータイプ(ポルカドットブラック)


2017年10月25日水曜日

KONYA CUP:レースレポート

大会名:            KONYA CUP
開催日:   20171021,22
開催場所:  トルコ・コンヤ
天 候:   晴れ
コースコンディション: ドライ

1日目 UCI Class3

リザルト:3位

今シーズンの最終戦をトルコ・コンヤで迎えた。
土日の両方でそれぞれUCI Class3Class2のレースが開催される。XCOの連戦と言うのは身体的にかなりハードではあるが、土日ともに安定した成績を残せば多くのポイントを獲得できるチャンスである。今シーズンの締めくくりであると共に、ポイントが取れれば来シーズンにも繋がっていく大事なレース。しっかりと体調を整え、集中してレースに臨んだ。

コースはピクニック公園とその裏山を繋ぎ合わせたレイアウト。アスファルトに砂、ガレた砂利、芝生と様々な路面が組み合わさっている。人工的な丸太セクションや立体交差も造られており、テクニカルなセクションは無いが路面変化が激しい上に平坦区間も多い。登りで踏んで、下りで休むという単純なペース配分で走るのではなく、踏みどころと休みどころを考えながらレースを展開していく必要がある。

スタートは4番目コールで一列目に並んだ。自分よりUCIランクが上の選手は3人で、トップのロシアの選手は今年のワールドカップで表彰台に乗るほどの強豪選手で頭一つ抜けている存在と言える。トルコとカザフスタンの選手は海外のレースで一緒に走る機会が多く、自分より一つ前の集団でレースを展開していることが多いので、今回のレースではとても良い目標となる。

レースは5周回と聞いていたが、スタート3分前にいきなり8周回に変更されたと告げられる。どう考えてもレース時間が長くなり過ぎるので選手からは大ブーイング。そもそも5周と8周のレースではレース前の食事等の準備も違ってくるので、このタイミングでの変更は本当に勘弁してほしい。次の日もレースがあることを考えると寒気がしたが、明日のことは考えずに今日は今日でベストを尽くそうと気持ちを切り替えた。

スタートダッシュではペダルを踏み外して出遅れてしまうが、最初の登りで順位を戻して5名ほどの先頭集団でレースを展開していく。最初の登りで力のあるロシアとトルコの選手が抜け出していくが、この動きには反応できなかった。3人の3位集団でレースを進めていく。2〜3周目は他の2人の選手の特徴を観察してレースを進める。2人とも平坦区間や緩斜面な登りは速いが、急斜度な登りでは自分に分がある。下り区間でも引けは感じない。3周目の下り始めで先頭に立って若干の差を広げ、平坦区間では脚を休めて追いつかせ、次の登りでアタック。これが上手く決まって3位単独になることに成功した。そこから1時間近くレースが続いたので精神的にも単独走はキツかったが、無事に逃げ切って表彰台を獲得することができた。上位の2人とは3周目辺りまでは30秒以内の差をキープしていたが、後半にかけて一気に離されてしまい力の差を感じた。今回のレースでは今の自分の力は出し切ることができたので満足であるが、来年のレースでも今回のような展開では面白くない。3位集団の頭をとっての表彰台ではなく、先頭集団で優勝争いをしていける力を来シーズンに向けて付けていきたい。

2日目 UCI Class2

リザルト:6位

昨日と全く同じ時刻にコース、メンバーでレースはスタート。
ただやはり昨日のレース時間が長過ぎたと判断されたのか、周回数は8周から7周になっている。今日はUCI Class2のレースであるので10位までポイント獲得のチャンスがあり、もちろんポイントの配分も高い。

昨日のレースでコースの特徴や勝負所はよくわかっているが、疲労によって脚の調子がイマイチであることはウォーミングアップの段階で分かった。条件はみんな同じであるので、自分を騙して追い込むしかない。スタートは星矢さんが抜群のホールショットを決めて先頭で飛び出し、自分は6番手ほどの位置。先頭集団の後ろではあるが、昨日のように動けている感覚はなく、登りの度に脚の重さを感じる。余裕がないために登りで前走者の後輪にハスって足をついてしまい、10秒ほど先頭から遅れてしまう。平坦区間でさらに2人に抜かれてしまうが反応できず、順位は6番手。今日の体調では粘る走りはできてもダッシュに反応することができない。トルコの選手と6位パックになって中盤までレースを進めていく。昨日の経験を生かして勝負所で確実に差を広げる走りに徹し、後半からは単独6位でゴールを目指した。UCIポイントは昨日より多い8ポイントを獲得できたが、内容としては悔いの残るものとなってしまった。

XCOの連戦は初めての経験であったが、シクロクロスでの連戦と比べると相当にハードであることが分かった。昨日のレースの疲労があったことはしょうがないと捉えるとしても、1周目に4位、5位の選手に抜かれた時に反応できなかったことは非常にもったいなかった。レースの序盤に余裕がないと、後半にかけて挽回しようと甘く考えてしまうのが自分のメンタル面での弱いところであり、海外のレースでは前半の遅れを後半に取り戻せることなど有り得ない。1周目の前走者との10秒ほどの僅かな遅れが、後半に分単位の差となって返ってきてしまう。そのことを意識して、この冬のオフトレーニングに励んでいきたいと思います。
今回のトルコ遠征ではチームとして土日ともに表彰台に登ることができ、UCIポイントも12P獲得することができました。実りある遠征にすることができたと思っています。

2017年のMTBシーズンは僕にとってエリート1年目のシーズンでした。結果的にはプロになってから初めて1勝もできない年となってしまい悔しさばかりが残ります。ただチームやスポンサー様のご理解とご協力があって海外遠征の機会を数多く与えて頂いたことで、UCIランキングでは日本人トップで終えることができました。このことは確実に2018年に向けて繋がっていくことであり、来年こそは本当の意味で日本一の選手となれるように頑張りたいと思います。アジア選手権と全日本選手権を最大の目標として、これからも走り続けます。

たくさんのご声援、ありがとうございました!

BRIDGESTONE ANCHOR CYCLING TEAM
沢田 時

使用機材
バイク       ANCHOR XR9http://www.anchor-bikes.com

サスペンション  SR SUNTOUR AXON

コンポーネンツ   SHIMANO XTR Di2 M9050シリーズ (http://www.shimano.co.jp
シューズ         SHIMANO  S-PHYRE XC9

ヘルメット                Kabuto ゼナード スペシャル・チームカラー
グローブ     Kabuto  PRG-5(ブラック)
                                   (https://www.ogkkabuto.co.jp)

ウエア        Wave One (http://www.wave-one.com
         Legge Fit Pro
         
サングラス        OAKLEY (http://jp.oakley.com
         JawbreakerPRIZM ROAD
        
サプリメント     SAVAS(株式会社明治)(http://www.meiji.co.jp/sports/savas/
          レース前:ピットインエネルギージェル
                栄養ドリンク風味(カフェイン入り)
                           レース中:VAAM
          レース後:リカバリーメーカーゼリー

ヘッドバンド   HALO (https://www.haloheadband.jp
         グラフィック プルオーバータイプ(ポルカドットブラック)