2014年6月25日水曜日

Portugal Cup-Belas レースレポート


大会名:            UCI Class2-Portugal Cup-Belas
開催日:   2014622
開催場所:  ポルトガル・Belas
カテゴリー: U23(エリートと混走)
リザルト:        18
天 候:   晴れ
コースコンディション: ウェット→ドライ

今シーズンで3戦目となるポルトガルカップに参戦してきた。
ポルトガルカップは毎戦UCIレースであるためにワールドカップに参戦しているような選手も数多く出ていて、U23クラスの自分とってはエリートの選手達と一緒に走れるために、とても良い練習になる。またコースも毎回自然の地形を生かしながらも人の手で丁寧に整備されていて、難易度は高いがリズムが良くて走っていて楽しい。こんなコースが日本のレースでもどんどんと使われるようになっていけばいいなと毎回のように思う。

今回のコースは登りではジープ道を使った比較的広くて締まった路面が多いのに対して、下りは狭い木々の間をすり抜けながら走るテクニカルなシングルトラックが多く、XCらしくバランスの取れたコースであった。コース中盤にはワールドカップでもなかなか無いような急勾配なダウンヒル区間もある。レース当日は朝から小雨が降り続いてマッドレースになるのではないかと予想していたが、ちょうどエリートクラスのスタート前に雨が止んだため、レースが進むにつれて路面がドライコンディションへと回復していく中でのレースとなった。

今回の参戦の目的は一ヶ月後に迫った全日本選手権に向けて今の自分の状態を確認すること。そして練習で取り組んできている「理想の走り」をレースという本番の舞台でしっかりと発揮すること。今月はハードな練習を積み重ねてきて、練習の時に好調さを感じることが多くなってきた。今日のレースでここからさらに良いイメージを作っていきたい。

スタートループは短い直線を左に曲がると下り基調のアスファルトになるため、最初のコーナーでの位置取りが重要になる。クリートキャッチは失敗したが、コーナーにはアウトから良いライン取りで進入できた。8番手ぐらいの位置。アスファルトの直線では後でメーターを確認すると50km近いスピードが出ていた。本コースに入った時点で10番手程。前回のポルトガルカップでは最初の登りで耐え切れずに一気に失速してしまったが、今回は違う。練習の成果か単純なパワー勝負の登りでも遅れずに勝負ができている。しかし登り終えてシングルトラックに入るまでの僅かな区間でもさらにペースは上がり、このスピードアップには耐え切れずに少し順位を落とした。ただ自分の調子が良いことは最初の登りで確信できたので、焦らずに前の選手に付いて息を整える。先ほどまで降っていた雨の影響でコースがどのぐらい荒れているのかを確認できていないため、前の選手のタイヤの滑り具合を見ながら慎重に下る。若干の渋滞はあったが順位を落とすこと無くシングルトラックを抜けた。
コース後半からは平坦区間が多くなり、一気にスピードが速くなる。そしてここで大きなミスをしてしまった。コース上のほんの小さな石に前輪をとられて転倒してしまう。まさかここで転けるとは。。調子が良い分、少し焦っている自分がいることを感じた。この転倒で2人に抜かれてしまい、1周目は14番手付近での通過。

2周目、3周目とコースにも慣れ始めて、全ての区間を乗車したままクリアできるようになった。コースもドライコンディションへと回復してきている。しかし自分が今回のレースで使用していたのは、ウェット路面に適したノブの高いタイヤ。コース序盤のシングルトラックでは前の選手に追い付けても、後半の平坦区間での周りの選手のスピードに付いていけない。なかなか順位を上げることが出来ないままレースが進んでいく。

路面がドライへと回復していくにつれて、自分のこのコースで速く走れる区間と遅い区間の差がはっきりとしてきた。序盤の登りで突き放したはずの選手にコース後半の平坦区間で追い付かれることを繰り返し、少しずつ体力を消耗していく。

ラスト2周回は4〜5人程の大きなパックでの走行となった。このパックの先頭でゴールするにはコース序盤の登りとシングルトラックで先行して、逃げ切るしか無い。特に最初の登りでは自分が一番踏めている自信があったため、最終周回はここでペースを上げようと考えていた。

そして最終周回。まだ脚は動く。しかし身体の調子がおかしい。右の脇腹が猛烈に痛いのだ。登りで力を入れた時だけでなく、路面からの振動だけで痛む。この痛みによって一気にペースダウンしてしまい、集団から脱落してしまった。悔しいがゴールを目指すことで精一杯の状況。後ろの選手とは差があったのでなんとか追い付かれることはなく、18位でのゴールとなった。

今回はミスが重なり不本意な結果になってしまったが、走り自体は確実に良くなっているという確信を持てた。
タイヤ選択についてはもっと試走の段階から慎重に考えるべきであったと思う。冷静に考えればこのコースで最も速く走るには序盤のテクニカル区間でミスを犯さず、後半の平坦区間でスピードにのせることだと分かったはず。ノブが高く路面抵抗の大きいタイヤで平坦区間を無理に踏んだため、バイクが跳ねて身体への大きな負担となっていたと思う。その結果、最終ラップに腹痛が起きてしまったのだと思う。

レースでは限界ギリギリのところで走っているので、ひとつのミスでどんどんと悪い流れになってしまうことが多い。逆にちょっとしたきっかけで今日はいける!と想い込んでしまえば、そのままゴールまで調子良く走れてしまうこともある。
今回はそんなレースでしか味わえない厳しさと面白さを再確認できたレースでもあった。

いよいよ日本への帰国も近づいてきたので、引き続きハードな練習を積み重ねて、万全の体調で日本に帰りたいと思います。
全日本では去年より強くなったと思って頂けるような走りをしてみせます。

応援ありがとうございました。
これからも宜しくお願い致します。

BRIDGESTONE ANCHOR CYCLING TEAM
沢田 時

使用機材
バイク       ANCHOR XR9

コンポーネンツ     SHIMANO XTR
ハンドル     SHIMANO  PRO
ステム               SHIMANO  PRO
ペダル      SHIMANO XTR
シューズ          SHIMANO  SH-XC90

ヘルメット                KOOFU  スペシャル・チームカラー(U23チャンピオン仕様)
グローブ     Kabuto  PRG-3(レッド)

ウエア          Wave One レジェフィット

サングラス              OAKLEY Racing Jacket
         レンズ positive red

サプリメント     SAVAS(株式会社明治)
                                     レース中:SAVASスポーツウォーター 
               ピットインリキッド
          レース後:リカバリーメーカーゼリー

2014年6月5日木曜日

UCI MTB WorldCup #4-Albstadt:レースレポート


大会名:            UCI MTB WorldCup #4-Albstadt
開催日:   201461
開催場所:  ドイツ・Albstadt
カテゴリー: U23
リザルト:        104位(−2ラップ)
天 候:   晴れ
コースコンディション: ドライ

先週に引き続いてワールドカップのヨーロッパラウンド。
第4戦がドイツのAlbstadtで開催された。

コースは長い登りが2カ所あり、どちらも路面状態が良いために完全なパワー勝負になる登り。一方でダウンヒル区間は岩に覆われた固い土質の上に、なぜか晴れていても路面はいつも濡れていて、とにかく滑り易い。ライン取りだけでなく、身体やバイクの傾け具合、重心の位置をコントロールして下らなければ、前後輪ともに横滑りしていくような難しい下りであった。しかしダウンヒル区間の距離は短く、登っている時間の方が遥かに長い。ラップタイムも12分ほどと本当に短く高速のコースであるため、短いインターバルで追い込むハードなコースであった。

今回はとにかくスタートだけは決めたいと考えていた。ワールドカップのXCレースで結果を残すために一番重要なことは何かと言えば、間違いなくスタートダッシュを決めることである。ファーストラップでほぼ順位は決まると言っていい。先週のチェコ大会に比べるとかなり念入りにウォーミングアップを行ない、コース上でスタートダッシュの練習を繰り返した。
前日のコース試走では脚が重くて、正直とてもレースに向けて万全なコンディションとは言えずに不安があったのだが、この日はダッシュのかかりも良く、身体もよく動いているように感じた。レースに対する良いイメージも作り易く、昨日まで感じていた不安はいつの間にか消えていた。とにかく先週のような走りはしたくないという想いで、スタートラインに並ぶ。

そしてスタート。まずはアスファルトの直線。イメージ通りのスタートを切れ、最初の左コーナーには渋滞や落車にも巻き込まれずに、ほぼノーブレーキで突っ込むことができた。おそらく30番手程の位置。登りに入ると左右から強引に選手が抜いてくる。やはりワールドカップはどのレースよりも位置取りが激しい。休む場面など一瞬たりとも無い。最初の長い登りで順位を落としたが、先週のレースのようにどうしようもなく身体が動かない感覚はなく、ここからだと自分に言い聞かせて下りに入る。
レースでは下りでは無理せずに試走で決めたラインをトレースするだけだと決めていたが、最初のコーナーを曲がった瞬間から予想以上に滑り易い路面にタイヤをとられてバイクが制御不能状態に。そのまま最も滑り易いコーナーに突入してしまい、転倒してしまった。後ろからも突っ込まれて、焦る気持ちもあって再スタートに時間がかかり、ここでも順位を落としてしまう。
そして2回目の長い登りへ。前には沢山の選手が見えているのだが、追い抜くどころか後ろから何人もの選手にかわされ、順位を落とし続ける。脚はすでにレース後半のように重く、明らかに踏めていない。1周目を完了して54位。

2周目からも登りで全く踏めず、一周目の転倒が頭をよぎって下りも上手く走れない。転ばないようにという想いからブレーキをかけ過ぎ、その結果タイヤが滑ってしまっていた。
レース後半にはそれに気づいて下りは若干ではあるが良い方向に修正できた。しかし、とにかく登り、というよりもパワーが必要な区間で全く踏めない。ギヤがとても重く感じる。息も心拍もそれほど上がっていないのに、脚だけが全く動いてくれなかった。
前半は苦しくても後半につれて感覚が良くなるレースは何度も経験している。しかしこの日はずっと苦しく、噛み合わない走りから最後まで抜け出すことが出来なかった。

トップは12分を切るラップタイムで回っているため、9分遅れた時点で80%ルールで切られてしまう。そのことはレース前から知っていたが、あえて考えないようにしていた。なぜなら自分の目標は完走することでは無かったから。先週のチェコ大会から少しでもコンディションが上がるようにできる限りのことはしてきたつもりであったが、結果的には−2ラップ、104位とワールドカップでの自己ワーストとなってしまった。

今回のヨーロッパラウンドでのワールドカップは苦い苦い経験となった。正直こんなレースは無かったことにしてしまいたいとも思う。沢山のサポートと応援を頂きながら、本当に不甲斐ない気持ちです。身体的に苦しい今、精神的にも暗い気持ちになってしまいそうな時があります。今は試練のとき。4月に感じていた好調と自分への自信を再び取り戻せるように、気持ちもコントロールしながらしっかりと自分と向き合っていこうと思います。

これからも宜しくお願い致します。

BRIDGESTONE ANCHOR CYCLING TEAM
沢田 時

使用機材
バイク       ANCHOR XR9

コンポーネンツ   SHIMANO XTR
ハンドル     SHIMANO  PRO
ステム               SHIMANO  PRO
ペダル      SHIMANO XTR
シューズ        SHIMANO  SH-XC90

ヘルメット          KOOFU  スペシャル・チームカラー(U23日本チャンピオン仕様)
グローブ     Kabuto  PRG-3(レッド)

ウエア         Wave One レジェフィット(U23日本チャンピオンジャージ)

サングラス          OAKLEY Racing Jacket
         レンズ positive red

サプリメント     SAVAS(株式会社明治)
                        レース中:SAVASスポーツウォーター 
               ピットインリキッド
          レース後:リカバリーメーカーゼリー